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クリチーバ=春祭りに8万人来場=ゴミ箱多数設置し清潔に=豪雨にも負けず日本食に列

ニッケイ新聞 2007年10月2日付け

 【パラナ新聞】クリチーバ日伯文化援護協会(山脇ジョルジ会長)は第十七回春祭りを、九月二十一日から二十三日にオスカー・ニーマイヤー美術館で開催し、多くの非日系を含めた約八万人が日本食や日本文化を堪能した。
 会場には主ステージと、若者向けステージの二種類が設置され、異なるイベントが連日開かれた。特設会場では日本料理の屋台や雑貨類、春を彩る花々や植木などを販売する出店、約六十店が軒を連ねた。
 初日は雷雨に襲われ、ステージで予定されていた催しは中止となった。特設会場では豪雨の影響をさほど感じさせず、日本食を求める来場者が列をなした。
 二十二日午後二時から開会式が行われ、大嶋裕一実行委員長、オルランド・ペスッチ・パラナ州副知事、ベト・リッシャ同市長、佐藤宗一在クリチーバ総領事、高山ヒデカズ連邦下議、原ルイ同市総務局長らが出席した。
 山脇会長は「今回も春祭りを開催できたのはみなさんのおかげ、本当に感謝している。この機会に日本文化や芸能を楽しんでほしい」とあいさつした。
 リシャ市長は「クリチーバ市には春祭り以外にも、多数の日系イベントが根付いている。日系人は市だけでなくパラナ州のあらゆる面で貢献し活躍している。今後より一層の発展を期待している」と話した。
 佐藤総領事は「春祭りを初めて訪れたが、春らしい雰囲気で良い。クリチーバ市民が日本文化に触れることができて嬉しい」と述べた。
 両日ともグループ若葉が昨年から始めた餅つきを今年も行い、用意された約四十五キロのもち米を、グループの会員が順番についた。途中、佐藤総領事が餅をつく姿もみられた。
 主催者側は、会場内を清潔に保つため、いたるところにゴミ箱を配置し、衛生面に気を使う配慮をした。山脇会長は「衛生面が適当では日系に悪いイメージがつく。日系のマナーとしてゴミ箱も奇麗なものを用意した。日系はマナーが良いとアピールしなくてはいけないと思った。毎年だが、今年は特に清掃に力を入れている」と話した。
 連日、両ステージでは太鼓、盆踊り、マツリダンス、カラオケなどが企画され、来場者を楽しませた。
 同市在住の中橋由美恵さんは「日系イベントが多く、日本に居たときより浴衣を着る機会が多くて嬉しい」と笑顔で話した。
 春祭りは九〇年に、当時クリチーバ日系クラブの会長を務めていた原ルイ清氏が、画家の瀬戸クラウジオさんらと中心に立ち上げたという。同美術館で開催するのは三回目。
 開始当初は同クラブ内の敷地で野球、サッカー、バレーボールの各部内で行っていたが、次第に参加団体の希望が増え収容人数に限界が生じたため、開催地を現在の会場に移した。移民百周年を迎える来年は、節目の年に相応しい春祭りを予定しているという。