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リオの100周年=事業計画着々と=大企業の資金援助得て=大規模な「日本展」を=農産展や凧(たこ)揚げも=鹿田委員長、実現に自信

ニッケイ新聞 2007年9月26日付け

 リオの日本移民百周年記念事業が着々と進んでいるようだ。同地では来年六月二十三日に記念式典を催すほか、日本展や農産展を同時期に開催、市内海岸での凧あげ、イッペーの植樹など独自の企画も計画し具体化させている。鹿田明義リオ百周年記念委員会委員長は、「これらの計画をしっかりと実現させるのが我々の役目。僕だったら必ず実現させますよ」と大きな自信を覗かせている。
 同地の百周年事業は、リオ州日伯文化体育連盟を中心にした日系四団体、州や市、財界、総領事館の協力で実施。今年六月に「日伯交流年・リオ州日本移民百周年記念委員会」を正式に発足させ、名誉総裁にセルジオ・カブラル州知事が就いた。
 鹿田委員長によれば、同委員会の目玉事業の一つは、ブラジル大手企業の出資協力を得て実施する「日本展」だ。
 同展は茶道や生け花、書道、折り紙、昔の日本の遊びなど、伝統的な日本文化をリオの人たちに広く紹介する目的で開催。展示部門ではコロニアの凧(タコ)技術者として有名な、山里ケンさん(サンパウロ市在住)の作品が一押しだという。
 会場はリオ市内でも有数な設備をほこるブラジル銀行文化センター(CCBB)を予定。入場は無料。開催期間は来年五月二十六日から七月十三日まで。「皇族が来ていただければ、その日にあわせて記念イベントをおこなう」という。
 開催費用は約二百万レアル。すでに同地を拠点にする世界最大の鉄鉱石生産会社、リオ・ドーセ社(CVRD)からの資金援助を取り付けたと鹿田代表。来月にはブラジル銀行からも協力を得る運びという。この他ペトロブラス社との交渉も進めており、大詰めの段階にある。
 また同委員会は農産展をあわせて開催する予定。日本人移民の農業への貢献を広く紹介することが目的。「なす、トマト、マンジョッカ、お米、ミカンなど、日本人が改良した作物について実物の枝や木を用いて展示したい」という。
 同展の開催は七月ごろ。場所はリオ総領事館がある市内フラメンゴ地区の施設になる。すでにこちらも州政府農務局の協力をとりつけている。
 このほか、リオ市中心部にあるロドリゴ・デ・フレイタス湖のほとりに、百二十五本の黄色のイッペーを植えるプロジェクトがある。黄色にしたのは「ブラジルのイメージカラーだから」。条例に従い、二メートル五十センチ以上に育ったイッペーを植える。植樹費用は約一万レアル。
 この植樹にあわせて同地には鏡石でつくった記念碑も設置する計画で、碑文の揮毫(きごう)は麻生太郎氏(前外相)がすでに引き受けている。鹿田委員長は同外務大臣が先月来伯した折に、了承を得たという。
 これに関連してリオ近郊のバレンサ市では、高地の気候を利用して、百本の桜を植えるプロジェクトがすすんでいる。すでに同地には五十本の沖縄さくらを植えており、「来年には染井吉野を五十本植えて百本にしたい」と意気込む。
 さらに世界的に有名なコパカバーナ海岸では来年、浜松の凧揚げチームから百人以上を招いて、大凧を青空にあげる予定だ。現在、日本ブラジル移民百周年記念事業浜松実行委員会(石川エツオ委員長)との調整をすすめており、開催時には「リオのコロニアの人たちやブラジル人も一緒になって凧を揚げてもらいたい」と希望を話している。