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ポ語自分史が日語に=胡椒栽培成功者=ベレンの大橋さん

ニッケイ新聞 2007年9月25日付け

 先月十九日の静岡県人会創立五十周年記念式典で、石川嘉延同県知事から優良移住者表彰をうけた、〃南国静岡出身のアマゾンの山猿〃こと、大橋敏男さん(91、ベレン)が、〇五年に、自分史を刊行していたことがわかった。
 題名は『南十字星は誠の光を』―アマゾン生活75年の思い出の記・自分史―。先にポ語版を五十部ほど出版したところ、地元のブラジル人らに好評だったことから、日語版が刊行された。
 大橋さんは「第一回アマゾン日本人移民」として、一九二九年にブラジル移住。南米拓植株式会社が開発をすすめたパラー州アカラ植民地(現・トメアスー市)などに入植後、こしょう栽培で成功した。
 またパラエンセ農業組合の創立者の一人として、その発展に尽力、ベレン市近郊のサンタ・イザベル・サントアントニオ日伯文化協会の創立(六〇年)にも携わった。六人の息子、三人の娘に恵まれ、七十歳のときには日本政府から勲六等瑞宝章を受章した。
 同書には入植当時のパラー州の社会情勢なども詳しく記述されている。
 汎アマゾニア日伯協会の堤剛太事務局長は、同書によせた序文で、「(大橋さんは)社会的、経済的に北伯日系社会のトップを極められた人物」と紹介。また「アマゾン日本人移民の壮大な歴史を記録に留め保存された」とその意義を紹介している。全七十五ページ、八十八年の人生を三編に分けて記述している。