ニッケイ新聞 2007年9月22日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】ジウマ・ロウセフ官房長官は二十日、経済活性化計画(PAC)の進捗状況報告について、計画の進展が十分でないとする分析に異議を唱え、市長・市議選挙の行われる来年に国内は「公共、民間工事のお花畑」と化すだろうと述べた。
同長官は、責任ある財政政策の重要性を強調しながらも、「ついこの前まで公共部門の支出を抑制し、基礎的財政収支の黒字を最大化することが課題だったが、今はそれが経済成長の阻害要因となっている」と述べ、PAC推進の機は熟したとの考えを示した。
官房室が同日発表したPAC進捗状況報告書によると、工事中、計画・研究段階を含む案件全体の進捗状況は七九・九%が適正、一〇・四%が遅れるリスク有り、九・七%が深刻な遅れと評価された。前回(五月初め)の報告では、適正五二・五%、遅れるリスク三九・一%、深刻な遅れ八・四%だったため、一部を除き、全体として状況は改善された。
懸念される案件は、今後数年間の経済成長を支え民間投資の呼び水となる、エネルギー、運輸部門を中心とするインフラ整備関連に集中している。例えば道路、水路、港湾整備は、深刻な遅れが四月の六〇件から八月には一四四件へと二倍以上増えた。また、水力発電所、ガスパイプライン、送電線の建設は、同じく一七件から三七件に倍増している。
一方、社会関連部門では前進した。四月には二一七件の二〇%が深刻な遅れとみなされたが、八月には六・五%にまで比率が低下した。
予算交付面では思わしくない進捗状況が確認された。全体の予算一四七億レアルに対し、八月までに交付されたのは三四億レアルに留まっている。
PACの現状を前向きに評価しながらも、ロウセフ官房長官はさらに障害を取り除く必要がある点を認めた。今年初めにはマデイラ川水力発電計画の環境許可をめぐりマリーナ・シウヴァ環境相と激しい応酬が演じられたが、その後、環境対策は政府が一丸となって取り組んでいるとする一方、今は計画反対側が争いを司法の場に持ち込むことが問題だと述べた。
また、PAC報告発表の前日に連邦会計検査院(TCU)が、PAC一二二件中、二九件に重大な不正があると報告したことについて、検査院の報告には首尾一貫性がないと批判した。リマ国家統合相も官房長官の右に習い、重大な不正の存在を否定した。