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Copom議事録発表=金利引き下げ終了を示唆=インフレ圧力上昇踏まえ

ニッケイ新聞 2007年9月15日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十四日】今月四日と五日に開かれた中央銀行通貨政策委員会(Copom)会合の議事録が十三日、発表された。その中で中銀は国内需要とインフレ加速の懸念を示しており、次回十月の会合で二〇〇五年九月以来低下を続けてきた基本金利(Selic)の引き下げにピリオドが打たれる可能性も出てきた。
 Copomは五日、基本金利を〇・二五ポイント引き下げ、年一一・二五%に決定した。七月は〇・五ポイントの引き下げだった。引き下げ幅の〇・二五ポイントへの縮小は市場関係者の想定内だった。
 議事録は基本金利について、「様々な要因を踏まえると、同会合で金利を据え置くことも理解できるが、(中略)インフレリスクを考慮しても、まだ追加的金融刺激策を正当化できるだろう」とし、九月の会合で金利据え置きもあり得たことが明らかにされた。
 国内需要については、「経済指標は、現在の需要拡大ペースが短期的にインフレ圧力を大きく高める可能性を示唆している」とし、「力強い需要の拡大がみられるが、インフレ圧力を大きく高める可能性をまだ示してはいない」とした七月の議事録の内容とは対照的になっている。
 また、インフレについても、「需要拡大が価格引き上げにつながっており、インフレ圧力上昇の萌芽がインフレ定着のリスクを示している可能性がある」とし、「世界的なインフレ圧力はまだ国内のインフレリスクを示していない」とした七月のものと比べると、評価は大きく転換した。
 広範囲消費者物価指数(IPCA)は八月に〇・四七%と、七月の〇・二四%と比べ大幅に上昇した。七月まではドル安と輸入増加がインフレ抑制に貢献していると中銀は評価していたが、九月の会合では「最近の金融不安が、インフレ安定化に貢献した外的要因の効果が弱まったことを示唆している」と評価を変えている。
 外的要因が悪化したとはいえ、今後の基本金利引き下げは外的要因、つまりレアル高ドル安になるかにかかっているとみるアナリストもいる。需要の過熱が今後も続く予想の中、国際的な資金の流動性が下がり、投資減少と供給不足に陥れば、インフレに拍車がかかり、金利引き上げの緊縮政策に逆戻りするリスクも指摘されている。
 マンテガ財務相は十三日、議事録の内容を楽観的に評価した。食料品価格は少し高いが収穫による変動もあり、今後四十日間の物価動向を見極める必要がある、現段階で次回会合の金利を判断するのは時期尚早と話した。ベルナルド予算管理相もインフレへの警戒が必要としながらも、金利引き下げの余地はまだあるとコメントした。