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日系社会における日本の芸能=澤崎教授が実態を調査

ニッケイ新聞 2007年9月14日付け

 「南米日系社会における日本の芸能に関する意識調査Ⅱ」の調査を行うため、澤崎眞彦東京学芸大学教授が、去る七月来伯した。
 同調査は、南米に移住した人々やその子孫に対して「日本の太鼓」を中心とした日本の芸能をどのように捉え、意識しているかを目的としている。面接調査や質問紙を用いて実態調査を行った。
 昨年はパラグアイを中心に五十人から聴き取りした。今回は、民族歌舞踊団「荒馬座」の狩野猛代表とともにブラジル内八カ所を回り調査を行った。ブラジル内では百人ほどが対象。
 澤崎教授は「だいたい予想はついている」と前置きし「実際のことを数字にしてみてみたい」と今回の意図を示していた。
 現在、ブラジル内では空前の太鼓ブームが続いている。しかし、日本の伝統芸能とは違いブラジル風にアレンジされている。このことが一概に悪いとは否定できないし、時代に合わせて変化していくことは悪くない。
 一方で同教授は、これこそが日本の伝統芸能だというような主張が、本質からかけ離れてしまっているではないか、とも話す。一方通行なだけでなく、民族芸能のように双方の協力があってこそできあがるものが伝統芸能だ、との考えも示唆した。
 澤崎教授は「ブラジル内では非日系人も太鼓をやっている姿が目立ってきているので、非日系人の統計も取りたいのだが、言葉ができないので難しい」と苦笑いをした。