ニッケイ新聞 2007年9月13日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】週刊誌ヴェージャに女性ジャーナリストが暴露してから一一〇日。長きにわたり上院を揺るがしてきたレナン・カリェイロス上院議長のスキャンダルに決着をつける日が遂に来た。同議長の議員権はく奪についての採決が十二日、上院本会議場で行われる。
採決は無記名かつ非公開の形で実施される。午前十一時に報告者の議員権はく奪動議と理由の説明から始まる本会議は、希望議員の演説、エロイーザ上議(自由社会党=PSOL)の告発、議長の弁明を経た後、午後二時半に電子投票器を使い採決が行われる。集計の後、結果の公表は午後三時になる予定。
本会議の最中は非常時を除き、携帯電話、固定電話、パソコンなど外部との交信は一切禁止となる。本会議場周辺に演説が聞こえないようマイクの使用も禁止され、一般人の傍聴も当日は不許可となる。前日の十一日、立法府警察は盗聴器が仕掛けられていないか、念入りに議場を調べた。
野党のブラジル民主社会党(PSDB)と民主党(DEM)は、議員権はく奪に賛成票を投じるよう党所属上議に求めた。DEMの上議は十七人、PSDBは十三人。一方、与党の労働者党(PT、議席十二)とブラジル民主運動党(PMDB、議席十九)はともに、議長支持の原則を保ちながらも、投票を各議員の判断に委ねることに決めた。無記名投票のため、造反議員が出ることを完全に防げないのも理由の一つ。
フォーリャ紙は十一日、議長を除く上議八十人に聞き取り調査を行った。その結果、議員権はく奪に賛成すると答えた上議は、はく奪に必要な最低票数と同じ四十一人に上った。反対は十人、二十九人が態度を明らかにしなかった。反対は全員与党議員だったが、賛成の中にはPT四人、PMDB四人を始め与党議員が十六人もおり、議長にとっては厳しい情勢となっている。
こうした中、議長は十一日、不利な情勢を認めながらも最後の瞬間まであきらめないと述べた。大統領府と議長支持議員は僅差で議長がはく奪を免れると予想し、ボルジェス上議(PMDB)は六票から十五票、議長陣営が有利だと見積もっている。また、カーザグランデ上議(ブラジル社会党=PSB)は、議長が支持しない場合の報復をちらつかせ、議員らに圧力をかけていることを認めた。
スウェーデンを訪問中のルーラ大統領は十一日、議長をめぐる上院の混乱に終止符が打たれるとし、議長の処分がどちらに転ぼうが政府は上院の決定を尊重すると述べた。また、検察庁が議長の捜査を進め、最高裁に起訴してもやぶさかではない点を強調した。