ニッケイ新聞 2007年9月13日付け
近日中にサンタカタリーナ州政府内にブラジル日本移民百周年委員会発足――。ルイス・エンリッケ州知事は9日午前、ラーモス移住地で百周年に関する州法令(法令番号は未定)に調印した。州国際局のヴィニシウス・ルメルツ局長も調印、同委員長に就任することが発表された。同州では、昨年6月に州内6日系団体を傘下にしたサンタカリーナ日系連合協会(FANSC、続正剛会長)が発足しており、すでに百周年関連の企画が発表されている。続会長(元保健大臣)は、「今回の州政府の決定は、とても助けになる。すでにある計画も実現に結びつくのでは」と来年に向け、大きな期待を寄せた。
エンリッケ知事は、州内の日本人移民を農業、商業など多方面で寄与したことを高く評価。これからの日伯関係の発展を確認するかのように、「ビバ・ブラジル! ビバ・ジャポン!」と約三百人の来場者とともに右手を高く突き上げた。
州都フロリアノーポリスの日系団体、ニッポカタリネンセの新里エリジオ善和会長は、「二百年前に日本人が始めて踏んだブラジルの地がサンタカタリーナであることをアピールしていきたい」と意気込む。
すでに来年二月に州都で行なわれるカーニバルには、地元サンバチームの「Copa Lord」が日本移民百周年をテーマにパレードすることが決定しており、「この二百年前の歴史から、現代日本の先端技術までを表現する」と話す。
州都中心部に日本庭園とモニュメントの建設、百キロ駅伝大会も予定されている。
なお、フロリアノーポリス音楽家協会が来年十月に、日本人を主人公にした歌劇『蝶々夫人』を公演することが決定している。
今年十月末にルイス知事は訪日を予定しており、連合協会のパウロ・バルタザル・ローザ事務局長は、「日本のオペラ歌手を招聘する計画もあり、知事の訪日で何かと動き出すのでは」と期待する。
続会長は、「私が保健大臣だったとき、知事は下院議員で色々と頼みに来てたんですよ。だから、『その時の借りを返せ』って言ってるんですけどね」と冗談交じりに話しながら、官民一体となった百周年事業に取り組む考えだ。