ニッケイ新聞 2007年9月7日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙六日】サンパウロ州密輸取締捜査課は四日、市内ジャルジン区でレバノン系密輸マフィアの幹部二人を逮捕した。二人はブラジルからヨーロッパと中近東に大麻やコカインを密輸し、見返りにエクスタシーなどを運び込んで販売していた。
ヨーロッパや中近東を根城とするレバノン系マフィアのブラジル支部で、マフィアから注文を受けてコカインなどを送っていた。コカインや大麻などで月四〇〇万から六〇〇万レアルの売上げとなっていた。
警察によると、コロンビアやペルーからキロ当たり三〇〇〇ドルで買い付けて、これを二万ドルから三万ドルで密輸していたもので、莫大な利益を上げていた。
エクスタシーの実態は明らかになっていないが、コカイン密輸で得た利益で大量に仕入れてブラジルで販売していたとみられる。これら合成麻薬は、ヨーロッパで一個一レアルで仕入れ、密売人に一〇レアルで分けていた。末端価格は三五レアルとなっている。
これらの密輸はヨーロッパ人からなる「運び屋」によって運搬されている。警察は逮捕した幹部宅から四万三〇〇〇個を押収したほか、十八日にサンパウロ国際空港(クンビッカ空港)でフランス人の運び屋を逮捕して八万四〇〇〇個を押収している。この運び屋らを管理しているブラジル人女性二人も逮捕された。
このうちの一人の金髪美人は二〇〇〇年に一度逮捕され十二年の実刑を受けながら、病院でケガの治療をしているところを仲間に奪回されて逃亡を重ねていた前科者だった。