2007年9月5日付け
先月掲載した、サンパウロ州ドウラードにある日本人位牌堂の記事について、バウルー在住の読者から連絡があった。
八十歳を超えたその男性は、七四年に墓地で行われた慰霊祭に出席したという。彼の記憶から、当時堂の新装に関わった人々の名前が分かった。
サンカルロス在の鈴木保重氏のほか、小川正幸、上村久一、長沢信二の三氏。それぞれ同地とアララクアラ、バウルーの生長の家関係者だったという。耕地通訳の間崎三三一氏の夫人を含め、みな鬼籍に入っていた。
「何とも言えない深い感動にさそわれ、涙が自然に湧き出る」、男性はそう慰霊祭の様子を振り返る。当時の情景を想像し、あらためて三十年の時の長さを感じた。
埋もれた歴史に光を当て、名を残すこともなく去っていく人たち。こうした記録を、これからどれだけ残していけるだろうか。 (ま)