2007年9月1日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙三十一日】米国発金融危機にもかかわらず、ブラジルの工業部門は先行きが明るく、業界によっては景気が過熱しているところもある―。ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団(FGV)が八月に実施した加工業合同調査の結果、こうした現状が浮き彫りとなった。
工業信頼感指数(ICI)は八月に一二一・八ポイントと一九九五年に調査が始まって以来、過去最高を記録した。これは前月比〇・一%、前年同月比一四・六%の上昇。また、期待指数も同月に一二〇・三ポイントと過去最高の記録となった。
FGV経済研究所のカンペーロ経済調査・分析部長は、「金融危機発生後に行われた調査だったが、影響は見られない。成長は金属、運輸、一部食品に限られるが、繊維や製靴など為替差損を被った業界も国内需要に支えられている。好況ではないが、底は打ったと言える」と結果についてコメントした。
生産と雇用の予想も前向きなものとなった。生産予想は増加が五〇%、現状通り四六%、減少四%、雇用はそれぞれ、三四%、六〇%、六%だった。設備稼働率は八五・七%と過去最高となり、在庫も不十分(七%)が過剰(六%)を九五年以降初めて上回った。
しかし、同部長は生産のひっ迫がインフレ圧力の下元となる供給不足を引き起こすとは考えていない。レアル高で輸入品の価格が下がり、または不足分を輸入品が埋め合わせるからと理由を説明している。