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脱走用トンネルが爆発=ガス流入、服役囚3人死亡=サンパウロ市
2007年9月1日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙八月二十九日】サンパウロ市北部カランジル刑務所の診療所敷地内で二十八日未明、トンネルが爆発し、中にいた三人が死亡した。警察の調べによると、死亡した三人はいずれも服役囚で、同一病棟で治療を受けている時に逃亡を企て、病院敷地内からジュベントゥデ広場に通じるトンネルを掘っていたとみられている。
トンネルは掘り始めで直径四〇センチ、四メートルしか進行していなかった。その途中でガス爆発が起き、二人は即死、一人は九五%の火傷を負って収容先の病院で死亡した。
ガス供給会社によると病院内敷地にガス配管がないことから、下水溝に充満したガスがトンネルに流入し、中にいた三人がタバコに火をつけるために、あるいは明かりとりにライターを点火して、引火したものとみられている。刑務所管理局は調査委員会を設置し、病棟での警備内容、トンネルを掘るに至った経緯につき詳しく調べることにした。
カランジル刑務所は逃亡のためのトンネル掘りで勇名をはせた経緯があり、これが原因で閉鎖された。二〇〇三年十二月に八十七人の服役囚がトンネルを伝って脱走した。トンネルは一三〇メートルに及び、刑務所前の通りを横切って向かい側のビルの排水溝に達した。しかし脱走劇の途中でトンネルが崩れ落ちて直径五〇センチの穴の中で四人が窒息死した。結局四十四人が再拘束されたものの、三十九人が脱走に成功した。