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定着化、EXPO YGUAZU=多面性ある年中行事に=「治安良好」も魅力=農村女性の活性化にもひと役

2007年8月31日付け

 【既報関連、イグアスー発】日系主導のパラグアイ、イグアスー移住地でのエキスポが十回目を迎え、年毎に新たな成果を生んでいる。多面性のある年中行事として基礎が固まってきているようだ。去る二十三日から二十六日までの四日間、移住地の中央公演で開催され、大人も子供も、農村住民をも、充分に堪能させる行事となった。後片付けを控えた最終日を除き、真夜中まで会場に人出が絶えなかったことは、移住地一帯の治安が良いことを暗示していた。
 パラグアイを代表する穀倉地帯の一つとして知名度の高い移住地だけあって、会場には播種機や収穫機など最新式の農機具が揃い踏みのように並んでいた。ブラジルの日系企業の一つであるJACTO社の農薬散布機も偉容を誇っていた。農薬会社も大豆やメイズやヒマワリなどへの肥効を競って宣伝していた。その隣では、鶏、ひよこ、うさぎ、アヒル、子豚などが販売されていた。花や観葉植物などの苗木や蘭などは台湾系業者が独占的に販売していた。
 日本人会サロンでは日系女性たちの感性が冴える数々の絵画と和服などの手芸品、それに、和太鼓が展示され、来場者は静かな雰囲気の中で〃美〃と〃匠の技〃に浸っていた。太鼓を作る時に出る小さな端材を有効活用するために、イグアスー太鼓工房が〃特製オリジナル・ストラップ〃を考案した。一点一点がオリジナルなのが特徴だ。材質はパ国産の樹木で、希望する名前を刻印して一個十レアルと料金も手ごろだ。
 日系養殖グループが魚を出展するのは今年で二年目。錦鯉、ドウラード、鯉は観賞用だったが、今年も大人に混じって子供たちを魅了していた。
 ドウラードも養殖グループが初めて人工養殖に成功した。大人でも生きたドウラードは滅多に見ることができない、まさに金の魚だ。即売されたのは体重二、三キロのパクーだった。刺身にも焼き魚にも煮物にも合う淡水魚だ。今年も好評で用意した分は売り切れた。内陸に住む人々には貴重な蛋白源だ。
 移住地管内にあるJICA農業総合試験場(CETAPAR)は野菜、イチゴ、緑肥作物、各種大豆、病害虫標本などを展示しながら、スタッフが技術解説に丁寧に応じていた。特に、普段はこのような機会に接することのない零細農家にとっては新しい技術を知る貴重な場だ。
 その零細農家の主婦たちがグループを作って、ヘチマなど身近にある素材を使った手芸品を作っている。この主婦たちを指導してきた青年海外協力隊の一人、今村志保さん(平成十七年度二次・東京都)が、「彼女たちにとって、EXPOは作品を販売するとても大切な機会です。これがあるから、意欲がわき、技術も向上しています」と言うように、移住地の中心部から一歩外れた農村に住む女性層の活性化にもEXPOが役立っている一面だ。
 イグアスー岩手県人会が、今年もつきたての餅やすき焼きなどを販売した。わんこそば〃大食い〃競争には、食自慢のパラグアイ人の大男たちが多く参加して、会場は応援合戦で興奮した。上位入賞は日本人が占めたものの、交流の効果が高い一面だ。