2007年8月29日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市は、おびただしい数のビジネス・イベントが開催されるブラジル有数の観光都市である。しかし、航空トラブルのためにサンパウロ市の看板が泣いている。それにTAM航空エアバスの事故が、追い討ちをかけた。
サンパウロ市観光課の報告では、エアバス事故のせいで観光客が一五%減ったという。ホテルの部屋稼動率は二〇〇七年上半期、七〇%で昨年同期比五%増を保っていた。それが八月と九月のそれは、一七・四%減と落ち込んだ。
サンパウロ市のビジネス・ホテルIbisやNovotel、Sofitelの部屋稼働率は平均九〇%、それが事故以後二二%も減少した。コンゴーニャス空港が便の移動で一時閉鎖になるとは、誰も想像しなかった。そのため部屋予約の延期や中止が相次いだ。
旅行社の航空券販売も二週間連続で、三〇%も減少した。イベント業界は、音をたてて水揚げが落ち込んだという。講師の三〇%は、コンゴーニャス空港の発着なら拒否する。また航空機の出発が遅れるため、待機するホテルや食事代、ホテルまでのタクシー代が、旅行社の予想外経費となって経営を圧迫する。
しかし、いつまでも泣き言を言ってはいけない。米国のイベント業界も9・11事件直後、大きな打撃を受けた。それが今は、すっかり立ち直った。ブラジルもエアバス事故の衝撃は、六十日とみている。イベント・ビジネスは、一六五〇万人の観光客を迎え、八〇億レアルを落して行く商売なのだ。