2007年8月29日付け
デカセギ送金=獲得競争激化しそう=磐田信用金庫、手数料大幅下げ=自動車、住宅購入ローンなど=新たな金融商品開発へ
デカセギ送金獲得競争が激化しそうだ。ブラジル連邦貯蓄銀行(Caixa Economica Federal=以下、貯蓄銀)と業務提携を結ぶ磐田信用金庫(高木昭三理事長)は来月にも、ブラジルへの送金手数料を現在の一律二千円から千二百~千三百円へと大幅に引き下げる。さらに、これからますます定住化がすすむ在日日系人向けに自動車や住宅購入のローンなど、新たな金融商品の開発も行いたいという。静岡県人会創立五十周年記念式典の参加などを兼ねて訪伯中の高木理事長が二十一日、語った。
同金庫は昨年五月から貯蓄銀との送金業務「家族送金」を開始。同年十一月に取り扱い店舗を磐田市、浜松市の五店舗に拡大し、今年五月には名古屋市で開かれたエクスポ・ブラジルで同貯蓄銀と共同でブースを出店した。
送金手数料は金額に関わらず一件当たり通常、四千五百円。貯蓄銀との連携強化で一律二千円まで下げたが、今回の更なる割引で、県西部に多く暮らす在日ブラジル人の顧客の囲い込みをはかる計画だ。
高木理事長は貯蓄銀との提携について、「在日日系人の生活レベルの向上と在日ブラジル人子弟の教育問題について話がまとまった」と説明。今後は定住化がすすむブラジル人向けに、自動車や住宅購入のローンなどの金融商品を開発・販売し、サービス強化に取り組むという。
今月二十日付けの時事通信によれば、同貯蓄銀は今年二月、浜松市に貯蓄銀の日本駐在事務所を開所し、来年にも静岡県内に支店を開設する運び。同地にはすでにブラジル銀行、スダメリス銀行なども出店しており、今後はデカセギ送金獲得競争にますます拍車がかかるとみられる。
同信金は一九五〇年に開設、現在はデカセギが集中する浜松市や磐田市などに全三十三の支店がある。