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250人で1千本植えた=パラグアイ、イグアスー移住地=入植記念の植樹

2007年8月28日付け

 【イグアスー発】入植四十六年目となった二十二日、パラグアイのイグアスー移住地は新しい門出を記録した。日本人会(公文義雄会長・高知県)の会員が、家族や友人などと一緒にラパーチョ(学名Tabebuia alba)、パラナ松(Araucaria angustifolia)、ローロネグロ(Cordia trichotoma)、インガ(Inga uruguensis)など移住地の気候に合う九種類一千本の植林を行い、暫定的名称「イグアスー日本人会の森」を誕生させた。
 植林に参加した独立行政法人・国際協力機構(JICA)パラグアイ事務所の岡部近男次長が「地球温暖化問題がクローズアップされている中で、イグアスーの皆さんのこのような行動を世界に発信して欲しい」と述べたほど大きな意味を持つ行動の始まりとなった。
 日本語学校は堤和子校長(青森県)はじめ教員全員が中学生と高等学生を引率して参加した。移住地に研修に来ている東京農大の学生たちも横田善則先輩(パラグアイ東京農大会会長)と一緒に参加した。JICAから派遣されてきている日系社会青年ボランティアも参加した。当日は雲ひとつない晴天となり、寒さもゆるみ、自然環境が格好の植林日和を提供してくれた。
 「来年からは植林を日本人会の事業計画に含めたい」と参加者を前に表明したのは公文会長。同会長の説明によると、イグアスー日本人会は二〇〇六年から日本経団連自然保護基金(本部・東京)の助成を受けて植林を実施してきている。これまでに、交流の森、鶴寿の森(イグアスー老人会)、寿会の森(アスンシオン老人会)、子供の森、青年の森、友情の森、太鼓の森、岩手の森、経団連の森、が誕生して、植えられた苗木は堅実に育っている。去る四月下旬、《育苗センター》落成式の出席者が全員で記念植樹を行った。この場所が〃経団連の森〃と命名された。
 昨年十二月には日本人会の中に環境保護委員会(篠藤菊雄委員長・愛媛県)が設立されて委員七名体制で育苗センターや森の管理が行われている。
 二十二日の入植記念日の植林予定地、約二ヘクタール、の整備、穴掘り、目印となる棒(竹を活用)、樹種の選定、苗木の運搬、名札の手配、植林後の潅水、さらには植林後の育苗センター敷地での参加者同士の交流会、の手配一切を環境保護委員会が担当した。名札はイグアスー太鼓工房に委託して作った。参加者それぞれが名前やメッセージを書いて自分が植えた苗木の横に立てた。交流会のための食べ物は婦人部員の手で作られた。苗木のほとんどは自前の育苗センターで育てられたものだったが、一部をウルグアイ人育苗家から購入した。
 日本人会長と環境保護委員長連署の〃植林証明書〃が一人ひとりに手渡され入植記念植樹が終了した。イグアスー移住地での〃美しい森づくり〃はますます好調だ。これこそ〃どんど晴れ〃の行動に違いない。