2007年8月22日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ブラジルで「言うだけなら簡単だ」というとき、口の軽い人間は言うべきこと、言ってはならないことが分からないし、無分別で発言の是非を体得することは一生ないという意味になる。これらの人間は生来口が軽く、無責任発言が引き起こす結果を意識しない。
ルーラ大統領とロウセフ官房長官、ジョビン国防相らが航空トラブルについて行った発言は、発言トラブルだという論評をエスタード紙が掲載した。航空危機という国家的カオスで、国民の感情を逆撫でするような軽率発言の続発が問題だという。
GOLの旅客機が小型機に接触して大惨事を引き起こして十カ月、今度はTAMの大惨事である。これだけの犠牲者が出ても、何の教訓にもなっていないのだ。大統領は第三空港を作るとか作らないとか、何を言ってるのか分からない。
官房長官は、どこに新空港を作るか発表しないと発言。政府は不動産業者のお先棒担ぎではないからという。新空港は既に腹案があり、建設決定が問題ではないらしい。言葉に重みがないのは大統領発表である。新空港計画のほこりを落とし、持ち出したようだ。
ジョビン国防相は、大統領から白紙委任状をもらって赴任したらしい。「やるか去るか」と啖呵を切ったのは、民間航空庁(Anac)へ向けて言ったようだ。Anac幹部は本来の航空行政がうわの空で、ボスの顔色を見ていた。
国防相は、大統領の白紙委任状の神通力を見誤ったようだ。Anac幹部を法的措置で追放と考えていたが、自発的な辞任へ切り替えたようだ。これは大統領府内で、国防相の発言力を強める布石と思われる。
それでAnac幹部を、アブレウ女性高官を除いて他庁へ横滑りさせるらしい。Anac紛争は今のところ、引き分けのようだ。Anac女性高官の居座りが通るなら、白紙委任状を貰った国防相は舌に火傷をしたと言えそうだ。