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人文研の図書管理=青年ボランティア=横尾さん、拭き掃除厭わず

2007年8月21日付け

 割烹着にマスク、軍手が必需品ですね―。先月からサンパウロ人文科学研究所(通称・人文研)の司書員としてJICA青年ボランティアの任務に付いている横尾悦子さんは、こう和やかに笑う。
 焼き物で有名な佐賀県伊万里市の出身。青年ボランティアは「中学生の頃からのあこがれ」。司書員として地元の市立図書館や女性センター、佐賀県議会の図書室などで勤務。ブラジルの印象は「自然のある街で育ったからサンパウロの空気はちょっと大変。でもみなさん温かくて感じがいい」。
 人文研の本棚は砂や綿に似た埃が溜まっている。「風通しもあまりよくないから本の保存は難しいですよ」。そう説明しながらきれいに拭き掃除をする。
 〇九年の任期までに、人文研が所有する約三千冊の蔵書をコンピュータでデータ管理する予定。日本で出版された本は国立国会図書館の蔵書データを利用する考えだが、ブラジルで出された移民関係の本は手作りの管理票をつくるという。
 日系社会についてはブラジルにくるまで良く知らなかったと横尾さん。「来年の移民百周年も楽しみですが、人文研で資料整理を黙々としているかもしれません」。そう言ってまた笑顔をみせた。