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今年もにぎわった「心の歌」=終日満員の盛況ぶり=多彩な舞台に大きな拍手

2007年8月21日付け

 来年迎えるブラジル日本移民百周年前夜祭として行われた歌謡チャリティーショー「日本人の心の歌~海を渡って大地に響く~」(日本人の心の歌実行委員会、ニッケイ新聞共催)が十九日午前十時から文協記念講堂で行われた。今年で七回目。開会前から多くの来場者が訪れ、早くも昼前に満員御礼の札が上がるほどの人気ぶり。全部で五十六曲が披露され、約七時間の長丁場にも関わらず、ほとんどの人が帰らず、最後まで大反響のまま終了した。
 当日は開場前から多くの高齢者が訪れ、ショー関係者よりも早く席を取り始める人気ぶり。
 午前十時の開演時間ちょうどに幕が上がり、ザ・フレンズ楽団(蛯原忠雄リーダー)の華やかな演奏で始まった。司会は道康二副実行委員長と井川ルシア総務が担当した。
 今回新しくスポンサーを引き受けたアステル・ド・ブラジル社(篠崎勝利社長)の協力により、司会者が話す内容に応じて、曲に関係する映像などが放映された。
 軍歌を歌う時には画面に戦争中の画像が流れたり、その曲の当時を思いだすよな内容の画像を流したりした。ライトなども用いて、華やかな演出で歌手の後押しをした。
 トップを切ったのは、今年一番人気の曲「荒城の月」。コロニア初の歌手、阿部洋子さんが富永祥正さん(93)の踊りと共に見事に歌い上げ、年齢を感じさせない舞いにも会場から大きな拍手が上がった。
 その後も出演者たちは曲に合わせた衣装に身を包み、熱唱。中でも王女のような派手な金色の衣装で登場し「月の砂漠」を歌った西谷エヂナさんは一際大きな歓声を受けていた。
 昼の休憩時間の間に披露された踊りには、昼食の時間を惜しんで、食べながら見る人たちの姿が多く見られた。
 「別れの一本杉」を歌う予定だった高橋富士夫さんが、緊急入院により歌えなくなった。そのため北川和義さんが急遽ピンチヒッターを務め、練習なしのぶっつけ本番だったが見事に歌い、会場から拍手喝采を浴びた。
 宮井八州男さんが歌った「娘よ」では、着物の花嫁衣裳を着た前田マリ子さんの姿に、会場中から喜びの歓声とカメラのフラッシュ
 最後はマツケンサンバを原エライネさんが歌い、途中から出演者全員が壇上に上がり、最後のフィナーレを飾った。
 道康二さんは「今回で七回目を迎えたが、だんだん良くなっているし、みなさんが喜んでくれている」と満足した表情で話してくれた。
 母親と一緒に来場していた山中芳恵さん(65、二世)は「母が好きなので一緒に毎年訪れている。今年は沖縄の曲とバックのイルミネーションが良かった」と表情を綻ばせながら話した。
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 この日は当日券も販売されたが、正午前には売り切れとなる盛況ぶりで、入場できず帰った人もあった。モジなど遠方から訪れた人もあったという。主催者では「当日入場できなかった皆さんにはご迷惑をおかけした」と話している。