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コラム 樹海

2007年8月21日付け

 近ごろはピンガ人気が高い。その昔は悪い酒のイメージが強く、呑みすぎて倒れる向きもいっぱい。つまり―アル中なのだが、治療のため入院した知人は死の直前に「別れの一杯」を望み、娘がカリスを差し出すと―一気に呑み干し「うまい」と呟きながら冥土へ旅立ったそうな。だが、最近は良質のものが市場に溢れ日本やヨーロッパにも輸出され愛酒家らの舌を楽しませている▼ピンガは安酒の代名詞のようなものであり、事実―値段も安い。バス賃にちょっぴり足すだけで一本買えるけれども、呑むときにいささか舌を刺し喉が痛む。昔も今も―これは代わらない。尤も―一本が40から50レアルになると、あの嫌な臭みがなくなり、仄かな香が漂いいい匂いが満ちて格別な味が生まれる。市立メルカ―ド近くにピンガ専門店があり、そこの最高級品は300レほど。ジュニ黒2本分もする逸品なのである▼恐らく―醸成の長短が品質の良悪に影響するのに違いない。昔は東北伯に名品がとされたものだが今や優秀品はミナスに多い。勿論、仏のシャンパンは一本が130万円もするらしいからピンガはまだまだ安い。ここでひと口噺をすると、仏にアル中は多数。けれども独にはいない。ワインとビ―ルが原因らしいが、この流言が真実なら―ブラジルはピンガ大国であり、呑ん兵衛が沢山な筈なのに―それほどもいない▼MG産にFolcloreMineiroがある。中級品ながら美味。日本人移民らの愛酒党が押しかけるTomasuGomzaka57に「金太郎」なる居酒屋があり、これのカイピリーニャがいい。是非―ご試飲を。(遯)