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森林減少のペース鈍化=アマゾンで2年連続=取締り強化と植林事業で=温暖化ガスも排出削減

2007年8月18日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】アマゾン地方の森林伐採が二〇〇五年八月から〇六年七月までの一年間で一万四〇三九平メートルとなり、前年の一万八七九三平メートルと比し二五%の減少となった。関係者の間では自然環境破壊を非難する声が根強い中で、森林減少は二年連続となり、二〇〇四年の二万七四〇〇平メートルを大きく下回ったことで、政府筋では満足の意を表明している。さらにこのまま推移すると、今年は九六〇〇平メートルにとどまると予想され、一九七〇年以来の最低となる。
 政府の公式発表の席に関係閣僚のシウヴァ環境相、ロウセフ官房長官、ステファネ農務相、カセル農務改革相、エリアス科学技術長官が顔を揃えた席上、でシウヴァ環境相は、〇五年八月から〇六年七月までにアマゾン地方の森林伐採による自然環境破壊は一万四〇三九平メートルにとどまり、前年同時期対比の二五%減少を見たと報告した。
 〇四年が二万七〇〇平メートルに及んだことから二年連続の減少となり、地球温暖化防止に多大な貢献になっていることを強調した。さらにこれで推移すると環境破壊防止に拍車がかかり、〇七年度の森林消滅は九六〇〇平メートルにとどまり、一九七〇年以来の最低水準になるとの見通しを語った。
 これにより〇四年八月から〇六年八月までの二年間でブラジルは大気中への炭酸ガスの放出を四億一〇〇〇万立メートル削減したことになる。地球温暖化の最大の原因となるもので、この数字は京都議定書で申し合わされた二〇〇八年から二〇一二年までの削減目標の一〇%に相当する。
 このことから〇七年の予想が順当に達成されれば、五億立メートルのガス削減となり、地球温暖化防止のリーダーの面目躍如となると鼻を高くしている。
 この背景として政府が〇四年に打ち出したアマゾン地帯の森林保護政策により、総務庁を中心とした取締りと管理が功を奏したと指摘している、この期間に六〇万本の森林保護、二万種の野鳥保護、七〇万本の植林事業などが行われている。
 また、連邦警察と自然環境院(IBAMA)の取締りも強化された、この期間中、不法森林伐採ならびに非合法取引で五六〇人が逮捕され、一五〇〇社が閉鎖されて罰金総額は三〇億レアルに上った。
 これまで監視は航空宇宙局の衛星カメラでなされていたが、大局的な部分に限られていたことから、今後は小地域の局地部分にまで広げていきたいとしている。