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連れ子殺しの男は無罪=警察の横暴で長期間勾留

2007年8月18日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】一年五カ月と十九日間―。誤認逮捕された男性(27)が未決囚刑務所に放り込まれた日数だ。男性は十二日、身の潔白が証明され、陪審員裁判で無罪を勝ち取って釈放された。
 誤認逮捕はもとより、男性には前科がなく、特定住居もあり定職を持っていたことで、通常は裁判の時期までは仮釈放が認められるにもかかわらず、長い期間勾留されたことで権力の横暴だと非難が湧き上っている。
 男性は同棲していた愛人の連れ子(当時二歳)を殺害した容疑で二〇〇六年一月二十七日に逮捕された。男性の母親の証言によると、子供は生れつき呼吸器と心臓に障害があり、この日も容態が悪化したのを受けて男性が人口呼吸などを施したが死亡したという。
 警察はこの証言を信用せず、計画的な児童虐待による殺人として男性を逮捕した。今回の裁判で医師の診断で検視の結果で無罪が立証され、陪審員が六対一で無罪を表明、裁判長もこれを認めた。
一〇一警察署では押収された三〇〇台のスロットマシーンが廊下や待合室に山と積まれ、それでも入り切らずに未使用の留置所に収容されている。
 署長は司法当局に対し三カ月前、機械を破壊して廃棄処分にする具申書を提出したが、いまだに回答を得ていない。署長は廃棄処分により、署内の場所問題と調書作成時間が節約できるとした上で、これによりさらに押収が可能になると強調している。その上で官僚主義による司法の処遇の遅延に憤りを表している。スロットマシーンの山で警察署はゴキブリの巣になっていると憤慨している。