ホーム | 日系社会ニュース | 続けられるか?=援協お見合い会=「中止」含めて「今後」を検討中=アンケート回答は=「継続を希望します」=参加者固定され=人数も減る傾向

続けられるか?=援協お見合い会=「中止」含めて「今後」を検討中=アンケート回答は=「継続を希望します」=参加者固定され=人数も減る傾向

2007年8月17日付け

 援協お見合い会は続くのか―。日系社会のよろずの相談所といえば援協福祉部。その福祉部が手掛ける恒例行事といえば「お見合い会」。高齢者福祉のイメージが強い援協にとっては異色のイベントだ。第三十三回を迎えた同会が先月二十九日に栃木県人会会館で開催されたと聞き、さっそく担当者の一人である心理士の久保エーリオさんに最近事情を尋ねてみた。すると意外にも参加者の固定化がすすみ、参加人数も減少、開催準備の負担もあるといった理由から「中止を含めて回数を減らしては」、といった声が担当者の間からでていることがわかった。
 「めずらしく参加者は男性の方が多かったですよ」。久保さんに今回のお見合い会の動向について尋ねると、開口一番にそう答えた。今回の参加者は男性二十三人、女性十九人。はじめて参加したのは九人。「人数も減りました。以前はすぐに七十人くらい集まって、お断りをだしたくらいでしたが・・・」。
 その理由を尋ねると、「参加する男性がほとんど同じなのが問題かもしれません。それで女性側もあのお見合い会にいっても、また同じ顔ぶれだろうと思ってしまうようで」。以前は女性のほうが圧倒的に多かった見合い会も、最近は常連の男性陣の優位が目立っている。
 この常連組には、圧倒的に日系人が多い中で、これまで三十回以上欠かさず参加している五十代の非日系のブラジル人もいるとか。職業は警察官。女性とはデートをするだけで、「結婚よりは普段の交際相手を探している」ようだ。
 そんなこともあり、福祉部内では「ただでさえ高齢者問題の相談が多くなっているなか、このままお見合い会を福祉部の仕事とするのはどうだろう」との声がある。そのため久保さんは「まだ話し合いはしてませんが、これからは会を仕切ってくれるボランティアを探したり、年間の開催日数を減らしてみては」と対応策をかんがえている。
 しかし、今回のお見合い会に参加した人のアンケートでは、福祉部のこんな思いとは裏腹に「お見合い会の継続を希望」との声が圧倒的だった。「とにかく次回があれば今年十一月下旬ごろになると思います」。
 援協のお見合い会は、結婚に関する相談の増加をうけて、九六年から年に三回ほど開催されてきた。年齢制限などはないが、三十代から五十代の参加者が中心。お見合いの成功率も高いことで知られる。
 福祉部の立場上では参加希望者は基本的に〃来る者は拒まず〃だ。そのため以前はある参加男性が会場で酒をあおりすぎて酔っ払い、お見合いどころでなかったことや精神的に障害を抱えた人もいたそうで、「なぜあんな人を参加させたの?」とあとから疑問の声が寄せられたこともあったそうだ。
 参加者の多くはサンパウロ市在住者が中心だが、過去にはサンパウロから三千キロ近くも離れたアマゾナス州マナウス市から参加した男性もいた。
 参加女性の好きな男性のタイプは基本的に(1)生活の安定を保証してくれる(2)仕事をバリバリする(3)高学歴。行動力のある男性も魅力的だという。とくに女性が経済面を重要視するのは十年以上前から変わらない。
 また第十五回の開催時に久保さんが参加者にアンケートをとった「こんな男性・女性は嫌だ」の質問では、男性が女性に対して、「おしゃべり」「本音を言わない」「頑固」が上位を占め、一方女性からは「酒飲み」「なまけもの」「うそつき」がトップだった。