2007年8月15日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】正規な採用試験を受けずに従事している臨時公務員を正規雇用に昇格させるというお手盛り案が下院で議決される見通しとなった。正確な数字は把握されていないものの、対象者は全国で二六万人に上るとみられている。
関係筋によると、正規雇用への登用は二段階に分かれ、第一段階は連邦公務員六万人が対象となる。この臨時職員は一九八三年十月五日から八八年十月五日までに採用された公務員で、これまでにも正規登用の動きがあった。
残りの二〇万人は州や市の地方臨時公務員で、九一年までに採用されたものの、今回の登用でこれら公務員は中央(連邦)公務員への格上げも可能となっている。
本件を上程した議員は、臨時職員としての待遇のまま正規雇用となるもので、国庫や公庫に新たな負担をかけるものではないと強調している。さらにこれまでに従事した期間に講習会などで十分に訓練されてきているので、質も向上しているとしている。
国会での議決の採択権を有するキナリア下院議長は、これら臨時職員は三年も四年も不安定な状態にあり、身分保証は人道的問題だとして早期に議決を実行するとの方向性を示している。
しかし、関係者には、国内の失業問題が一向に改善されない折から、公務員に対してのみ身分保証をするのは片手落ちだと批判する向きもある。
その上で、世界でも有数の公務員天国といわれるブラジルで、さらに「夢の超特急列車」のような優遇措置は考えものだと指摘している。