2007年8月9日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】ブラジル農牧研究公社(Embrapa)とドイツの多国籍企業バスフ(Basf)は七日、除草剤への耐性がある遺伝子組み替え大豆の商品化に国内で初めて成功したと発表した。
まだ名付けられていない同大豆は、両社が十年間かけて開発してきた純国産品で、モンサント社の大豆ラウンドアップ・レディ(RR)に対抗できる商品と期待されている。
両社はバイオ保全技術委員会(CTNBio)での商品登録を一年以内に行うため、食品としての、そして環境への安全面を評価する研究を進めている。その後、同大豆を二〇一二年までに市販したい考えだ。
同大豆は、バスフが特許を所有する遺伝子を同公社の農業技術者が開発した技術で組み替えて開発され、特許は同公社が所有する。大豆を傷めることなく除草剤を使って雑草を除去できるため、生産コスト面とRRに加えて栽培品種のオプションが増えることも、大豆農家に有利とみられている。
バスフのロウザノ・バイオ技術部長は、同大豆の市場占有率が二〇%に達すると予想している。また、ブラジル以外に二十カ国で商品登録を行う意向を示した。大豆油や豆乳といった派生商品のほか、抗がん剤などの医薬品開発にも同大豆が利用できるよう研究を進めていると述べた。