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日伯交流の架け橋に=石川県から「少年の翼」

2007年8月3日付け

 石川県が今年から始めた新しい国際交流事業「二十一世紀石川少年の翼」派遣団が、七月二十八日に着伯し、サンパウロ市各地で交流会を行った。
 同事業は、二年前に県人会館開館十周年を記念して谷本正憲知事らが来伯した際、同知事が日系社会に興味を持ったことがきっかけ。「若年層に少しでもブラジルを知ってもらいたい」として今回の派遣につながった。
 同事業は韓国や中国にも青年たちを派遣している。ブラジルは遠くて馴染みがないために関わりが少ない。そのため少しでも多くの人に知ってもらうことを目標にしている。
 昨年は石川県人会の関係者が訪日、今回石川県から派遣団が来伯した。来年以降は未定だが、一年毎に派遣団を交互に送る計画だ。
 今回の派遣団メンバーは三国栄・石川県観光交流局次長(団長)、吉居公紀・同国際交流課主事(管理員)のほか、文化講師として北村修吉さん(宝生流謡)、平田良仁さん(陶芸)の二人。団員として地元高校から館農望さん、西嶋未来さん、西村伶さん、山戸駿さんの四人が参加した。
 滞在中は日系人との懇談会の他、東山農場、サンパウロ大学、赤間学院、サントス厚生ホーム、コーヒー博物館など日系人に縁のある場所を見学し、地元の学生や日系人と交流を行なった。
 一日夜に同会館で開かれた歓送迎夕食会には、派遣団や関係者など約四十人が参加した。派遣団からお礼の挨拶が述べられ、団員が「ふるさと」を、北村講師や同県人会の関係者たちが「枕慈童」を披露。会は和やかな雰囲気のまま終了した。
 団員の吉居さんは今回の派遣に関し「最初だったので手探り状態で大変だった。団員に少しでも本当のブラジルを見せることができたのではないか」と安堵の表情を浮かべる。また、西嶋さんは「みんなが温かく迎えてくれた。また来たい」と目を輝かせながら話していた。
 県人会の陶芸教室で指導を行った平田講師は、「ブラジルで多くの人が陶芸をしているので、周りの人にアピールしたら良いのではないか」と感想を語った。
 コーディネーター役をつとめた竹下康義同県人会相談役は「今回は成功だったのではないか。これからも続けていければ」と手応えを感じながら話した。小堀勇会長は「自分も二世。これからは二世が頑張って、子供たちや石川県との交流を大事にしていきたい」と語った。
 派遣団は一日夜、日本への帰途に着いた。