2007年8月2日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】サンパウロ州政府はサンパウロ州住宅開発公団(CDHU)内部にメスを入れて組織改革に着手することを決定した。サンパウロ州検察局が二カ月前に地方都市での公営住宅建設をめぐる不正入札や水増し見積などの汚職を摘発、起訴したことを受けての措置。この摘発は五月、プレジデンテ・プルデンテ市の公営住宅建設に絡むもので、一億三五〇〇万レアルに上る汚職となった。
手口は不法入札や水増し見積りのほか、入札契約よりも粗悪な材料などを使用していた。これにより不正を目こぼしして賄賂を受取っていた公団職員が解雇処分となったほか、公務員や建設業者など二十九人の関係者が容疑者として取調べを受けている。
公団にまとわる不正は耳新しいものではなく、検察はこれまで一〇二件に上る不正を摘発し、容疑者らに対し総額一一〇億レアルを公庫に戻すよう裁判で係争中だ。サンパウロ州税務局によると、同公団は市当局、建設業者、公団職員がグルとなって汚職ランキングのトップになっていると指摘している。その様相は砂糖に群がる蟻のようだと評している。また検察ではこれまで二十二市で不正を五件、さらに二十三市で疑惑を捜査中だという。
これを受けて州政府は同公団の改革に踏み切ることにした。現政府で十二年となった州政府の管理体制でメスが入れられるのは初めてのこと。とりあえず着手するのは、公団職員の削減、それにともなう地方支部の閉鎖、建設業務の監督を行う第三社の契約を挙げている。これにより経費の節減と悪の巣を一掃したいとしている。
地方支部の閉鎖の対象となっているのがアラサツーバ、アララクアラ、マリリア、タウバテ、プレジデンテ・プルデンテの各市で、これとは対照的に住宅不足が深刻化しているサンパウロ市都心部およびサンパウロ州海岸地帯での活動を強化したいとの意向を示している。
いずれにしても汚職公団の汚名を一掃するために公団の粛正と、厳しい監督が不可欠だとの考えを強調している。