2007年8月2日付け
今年十月にブラジル宣教二十七周年を迎える長崎純心聖母会=パラナ州クリチーバ市=は現在、クリチーバ日伯文化援護協会などと協力しながら、デイケアセンターを建築している。建設費は長崎の本部から送られており、まるごと「日本の善意」だ。同聖母会では「社会に尽くした老人方に感謝と尊敬をもってお世話できれば」と建設目的を説明する。
市内ピラールジンニョ区に所有する、日本語学校の運動会や小児麻痺患者のリハビリなどに使われている土地があり、そこに約二千平米の建物が建設中だ。すでに八割ほど完成しているが、サービス内容や対象層に関する詳細の検討が続けられており、「まだイナウグラソンの日取りは決まっていない」という。来年に向けて稼働開始する予定。
同修道会によれば、構想は八年前からあった。六年前に同市市長夫人から「高齢者のために何かしてほしい」との要請を受けたのも、きっかけの一つ。同地文援協とも「高齢者のために何か一緒にやりましょう」という話し合いがあり、昨年六月から計画が進められている。
高齢化によって家族の負担が増え、昼間だけ高齢者を預かる施設、日帰りで世話をする施設の必要性が各地で叫ばれている。サンパウロ市でもサンパウロ日伯援護協会が、〇九年に完成予定の福祉センター内にデイケアセンターを作る計画だ。
同地文援協では、会員の日系医師らがボランティアで協力する予定。特徴としては「日系人だけではなく、近所の人にも使ってもらう。ブラジル人市民に開かれた施設にする」という。
同聖母会は州都で日本語学校を運営するほか、パラナ州アモレイラでは託児所・老人の家、同州サンジェロニモのフマニタス診療所・光慈善協会にも協力している。