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核廃絶運動の高校生ら=日本祭りで1万人署名達成――日本から森さん駆けつける

2007年8月2日付け

 【既報関連】ブラジル原爆被爆者協会(森田隆会長)は、去る七月二十三日、長崎県の市民団体「長崎平和大集会実行委員会」から贈られた賞状とメダルを高校生平和大使たちに伝達した。核兵器廃絶と世界の平和を願う長崎・広島・日本の声を世界に届けることを目的とした、高校生らに贈られた賞状、メダルである。
 伝達式には高校生平和大使に応募した十二人中七人が出席した。大使に選ばれたリオ在住の藤川優美子さん(15、三世)とサンパウロ在住のマルセロ・ドス・サントス・クレメルさん(15)も出席した。
 去る七月二十一、二十二日、「第十回フェスティバル・ジャポン」(日本祭り)の展示会場で、高校生一万人署名活動が行われ、十二人の高校生とその両親ら、十八日に長崎から来伯した森麻衣子さん(18、県立諫早高校三年)が、参加していた。
 同協会の話によれば、二日間で署名した人の数は一万七百七十八人で、目標の数より上回り、森さんは満足した様子だった。
 長崎でも署名活動を行っており、現在までに約三万人分を集めている。また、昨年十月、世界の国と地域(台湾、パレスチナ)百九十二ヵ国に、長崎の高校生の一万人署名や平和についての文書を送ったところ、ブラジルのルーラ大統領から今年一月に、さらに次々にほかの二十五カ国の首脳らからも返事がきた。
 先月二十二日は森さんの十八歳の誕生日。一万人署名達成も重なり、外国で生涯忘れられない誕生日になったという。クレメルさんの母親からは大きなケーキを作ってもらったそうだ。
 また、訪伯する際、台風四号の影響で一日早く長崎を出発し、成田国際空港に到着したが、台風の影響でブラジル向けの便が欠航になった。新潟の地震の影響による、身体に感じる揺れを味わったという。無事にブラジルに着いたが、コンゴニャス空港の墜落事故をテレビで知った森さんの両親から、何度も被爆者協会に娘の安否を気遣う連絡があった。
 森さんは「とても短い時間だったが、一万人の署名を達成できたのは嬉しい。それよりもブラジルの人々が温かいことがわかったのが何よりも大きな収獲だった。いつかまた戻ってきたい」と大切なものを得た様子で話した。
 森田会長は「高校生平和大使の二人と森さんは、将来世界を動かす人物になる。若い世代が活発に取り組んでいることは、絶対に無駄ではない」とコメントした。
 藤川さんとクレメルさんは、十九日から二十六日まで国連欧州本部(スイス・ジュネーブ)で開催される平和に向けた会議に「高校生一万人署名」を提出する。