2007年8月1日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙七月三十一日】ルーラ第二期政権の目玉政策として登場した経済活性化計画(PAC)が、大統領および政府の意向とは裏腹に、必ずしも順風満帆の船出とはなっていない。
法案が今年一月に発表されて以来、それにともなう関連工事が環境省の横やりで承認が遅れて政府をヤキモキさせたのに引き続き、工事の異議申し立てで一四六件が裁判で係争中という事実が明かるみとなった。今度は司法の壁が立ちはだかったことになる。
中には工事中止を求める訴えもある。主なものでは国道BR一〇一号線の拡張、エストレイト水力発電所の建設、サンフランシス川流域工事などが含まれている。
PACはルーラ大統領をはじめとする政府および与党労働者党(PT)の政治生命の鍵となっていることから、政府はこれに対応するために国家弁護団から二十人の弁護士を選出して専属に担当させることと決めた。国家弁護団が個別の訴訟に専属となるのは極めて異例の措置で、それだけにPACに対する政治の意気込みが伺える。
PACが壁に突き当たるのは今回が初めてではない。政府がエネルギー政策の柱と自負しているマディラ川の水力発電所建設計画が、PAC発表後三カ月が経過しても自然環境保護院(IBAMA)の承認が得られないことに業を煮やした大統領が、同院の組織を改組する措置を取った。これに職員が反発、ストに発展して社会問題となった。結局、水力発電建設は複数の条件を全うすることで承認され、政府が寄り切った。
また、四月にはマラニョン州のエストレイト水力発電所計画が高裁により差し止めとなった。インジオ保護区であり、インジオ保護団体の訴えを認めた。政府は控訴で判決を覆したものの、上告審で係争中。
係争中の案件は政府による土地接収の際の賠償金に対する不満が主流を占めていることから、弁護団は示談で解決できるとの見方を強めている。