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建設業界の落ち込み続く=8月の指数は観測以来最低=持ち家政策継続の効果は

 全国工業連合(CNI)が24日、8月の建設業界の活動指数は43で、2009年12月に毎月の活動を指数化し始めて以来、最低だったと発表したと25日付エスタード紙が報じた。
 8月の活動状況の調査は9月1~10日、小規模企業202社、中規模企業257社、大手145社を対象に行われた。
 これによると、8月の活動指数は43で、7月の44・9を更に下回った。同指数が50を割った時は活動が後退している事を表す。昨年8月の同指数は47だから、業界の活動は後退の一途にあるといえるが、落ち込みが特に厳しかった大手企業の活動指数は42・3に止まった。
 業界の生産状況を近年の平均値と比較した指数も、8月は41・4で、建設件数などが平年より大幅に落ちている事が判明した。また、業界が持つ設備の稼働率も、7月の69%が67%にと一段と低下した。
 業績が落ち込めば当然懸念されるのが雇用の喪失で、8月の労働者数を示す指数は43・5に低下。こちらも50を割れば雇用が減った事を示すが、7月の指数は44・2だったから、建設現場の就労者数は更に減少した事になる。
 四つの指数が全て50を割り、業界が後退し続けている事が数字の上でも明らかになる中、建設業界では、今後に対しても他業種以上に悲観的な見方が広がっている。CNIによると、活動レベルや新規の契約、原材料の購入、従業員の雇用の4項目に対する建設業界の期待値は全て、前月までの数字を下回った。調査に応じた企業の中で最も悲観的だったのは大手で、小規模企業はむしろ楽観的だったという。
 一方、今後に不安を抱える企業家らから圧力を受けた政府は、民間部門との関係改善の意味も込め、17日に持ち家政策の〃ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィダ(MCMV)〃の第2段階の目標数を、275万軒から310万軒に拡大する事と、融資などでの減免税措置の4年間延長を決めた。MCMVは2014年末で終了する予定だったが、この政策が終れば業界の活動も停滞すると恐れる企業家らがMCMVの継続または拡大を要請していた。
 17日の決定は大統領選投票日まで18日というタイミングで行われ、ギド・マンテガ財相とミリアン・ベルキオル企画相によって発表された。追加された35万軒の住宅建設は政権担当者が決まっていない2015年に行われるせいもあってか、資金の追加額などは明らかにされていない。