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堕ちた元スーパー・アイドル=私生活追う番組に出演中逮捕

 25日、ブラジルを代表する人気番組の一つ、レコルデ局の番組「ア・ファゼンダ」に出演中の元人気アイドルが逮捕された。
 逮捕されたのはロイ・ロッセロー容疑者(43)で、同番組のロケ地であるサンパウロ州イトゥで逮捕された。
 ロイ容疑者は1980年代、プエルトリコの少年アイドル・グループ、「メヌード」の一員として当時一世を風靡した。中米、南米での人気は熱狂的で、ブラジルでも、1984年にサンパウロのモルンビ・スタジアムで行なわれたコンサートには20万人の動員が記録された。この人気は日本にも伝えられ、日本盤も発売されている。
 メヌードのメンバーには年齢制限があり、一定の年齢になると卒業しなければならない。ロイ容疑者も17歳で脱退してソロ活動を行なっていたが、それはうまくいかなかった。
 その一方、彼と同時期にメヌードに在籍していたリッキー・マーティンは世界を代表するスーパースターとなり、ドラコ・ロサも数多くのラテン・グラミー賞を受賞するなど、ラ米音楽界では目立つ存在となっていた。
 ロイ容疑者は、かつて自分を熱狂的に受け入れてくれたブラジルに定住し、アシェー(現代風にアレンジされたサンバの一種)の歌手として活動していたが、成功していなかった。
 そんな折、「ア・ファゼンダ」の出演の話が彼に舞い込んだ。同番組は、無名の若者たちの共同生活を撮影し、視聴者に誰が良い人物かを選ばせることで成功したグローボ局の番組「ビッグ・ブラザー」の対抗番組だ。
 こちらは、かつての人気スターを農園に共同生活させ、良い人物を視聴者に選ばせる、という趣旨のもので、視聴率も良く、第7シーズンまで続いている。
 ロイ容疑者は14日からはじまった最新シリーズに出演していたが、はじまって12日目にして逮捕された。理由は前妻とのあいだにできた5人の子供への養育費を支払わなかったためだ。同容疑者は13年のサンパウロ地裁の裁判で4万レアルの養育費の支払いを命じられていたが、1万8千レアルが払われていないままだった。
 この支払いが行なわれない場合、刑務所に移送されることになり、番組への出演継続は困難になる。皮肉にも、私生活を映すはずの番組で、テレビカメラの外でより大きなスキャンダルが起きてしまったことになる。
 ロイ容疑者は1988年と2011年に、それぞれ女性への暴行罪で告発を受けている。また同容疑者は、「ア・ファゼンダ」出演中に、メヌード在籍時にマネージャーから性的虐待を受けていたと告白し、話題を呼んでいた。(25日付G1サイトより)