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排水溝から子供の泣き声=母親の遺体と共に女児発見

 アルゼンチンのコルドバ県コルドバ市で21日、排水溝の中から子供の泣き声が聞こえるのに気づいた人々が、既に死亡している母親の傍らにいた1歳8カ月の女児を救出するという事件が起きた。
 警察によると、遺体となって発見されたのは17日から行方不明となっていたパオラ・アコスタさん(36)で、1歳8カ月のマルチナちゃんは低体温症などを起こしていたものの、無事に救出された。
 この事件は、病院で検査や治療を受けるマルチナちゃんがおばのマリアナ・アコスタさんの手を握っている写真と共に報道され、広く一般社会の注目を浴び、ソーシャルネットワークなどでも話題となっている。
 マルチナちゃんはコルドバ市内の小児科医院に入院し、低体温症や骨折、汚れた水やゴミの中に浸かっていた事による感染症の治療を受けているが、意識は明確で命には別状はない。
 警察によると、パオラさんは、以前付き合っていたゴンサロ・リサラウデさんから養育費を受け取るため、マルチナちゃんを連れて出かけたという。二人が帰ってこないため、14歳と16歳の息子達が警察に届け出たのは18日の事だった。
 ゴンサロさんはマルリナちゃんの父親だが、弁護士のセバスチャン・まかり・ガイド氏は、パオラさん達はゴンサロさんからお金を受け取って、帰って行ったという。養育費の支払は8月から始まっており、17日は2度目の養育費を受け取る事になっていた。
 アルゼンチンでは恋愛絡みの事件は頻繁に起きており、同種の事件を専門で扱う非政府団体(NGO)のカサ・デル・エンクエントロによれば、パオラさんはコルドバ県で殺された10人目の犠牲者だという。2008~13年の統計では、同種の事件での犠牲となった女性の数は1256人に上るという。
 同NGOのアダ・リコさんによると、今回の事件は同種の事件としては最悪でこそないけれど、母親を殺し、娘を何時間も排水溝の中に捨て置くという残虐性は社会全体を震撼とさせたという。(25日付G1サイトより)