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人気遊園地で集団強盗発生=警備状況に疑問の声も

 24日午後、サンパウロ市から北西に79キロのヴィニェド市の遊園地、ホッピ・ハリで集団強盗事件(アラスタォン)が発生し、少なくとも6人の負傷者が出、1人の若者が現行犯逮捕された。
 アラスタォンは前売り券を買って入場していた50人余りの若者の集団によって起こされ、カンピーナス在住の17歳の少年が、帽子と携帯電話を盗んだ現行犯で逮捕された。
 モンガグア市在住のジュリアナ・ソウザちゃん(13)は直接の被害にこそ遭わなかったが、強盗団が周りの客の帽子やスニーカー、チェーンのネックレスを奪うのを目撃した。「学校の遠足で初めて来たの。もう2度と来たくないわ」と語った。
 怪我人は軽い擦り傷でジュンジアイー市のパウロ・サクラメント病院に搬送された。同院の広報担当者によると、4人は既に退院し、残る2人も同日中に退院した様だ。
 警察は、今回のアラスタォンはインターネットによって組織されたとの疑いの元にソーシャルネットを調べ、ソーシャルネット上の写真も使って容疑者を探し、見つけ次第、被害者に確認を依頼する見込みだ。
 現行犯逮捕された少年がカンピーナス出身だったことで、捜査責任者のジョゼ・カルロス・デ・モラエス氏は、今回の犯罪は同市で組織されたとの疑いを強めている。
 事件が起きた25日は人気バンド3組の来演が予定されており、その情報がインターネットに流れてファンの関心を集めたため、園内は多くの人で賑わっていた。バンドマネージメント会社のエメルソン・ロドリゲスさんは「アラスタォンはそれを利用したのではないか」と見ている。
 ロドリゲスさんはホッピ・ハリの運営会社から事件の2日前に今回の来園は多くの反響を呼んでいると知らされたため、ボディーガードを連れて行くことを決め、ホッピ・ハリにも警備の増強を依頼したが、到着の際にホッピ・ハリ側は何の対策も講じていないことに気が付いた。
 ホッピ・ハリ側はバンドの来園はアラスタォンとは関係がないとし、バンドの来園がソーシャルネットに流出した直後にバンド側とコンタクトを取ろうとしたが、返事がもらえなかったとしている。
 警察によると、事件当日、ホッピ・ハリには約1万人が来園していたが、この数は普段の来園者数と変わらないという。
 サンパウロ州消費者保護センター(プロコン)は25日、ホッピ・ハリ側に事件当時、勤務に当たっていた警備員と負傷者の手当を担当した医療スタッフの人数を報告するよう求めている。規定以下の数値だった場合は500~700万レアルの罰金が科される見込みだ。(25、26日付エスタード紙、フォーリャ紙などより)