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W杯事業3割は未完成=リオ五輪には間に合う?=行方の見えない工事さえ

 6~7月に開催されたサッカーW杯に向けた各種事業やプログラムには現在も未完成のものがあり、運がよければ16年のリオ五輪の時までに完成するが、運が悪ければ生きた屍と化す可能性も高いと28日付エスタード紙が報じた。
 エスタード紙が調査した未完成事業の総工費は32億レアルに及び、観光客や市民の足を確保するための交通網の整備に関するものに遅れが目立つという。
 国庫庁(CGU)によると、W杯に関する種々の工事や、治安維持や観光客への情報提供といったプログラム、計324件、総額254億レアル中、9月までに終了したのは67・3%に相当する171億レアル分のみで、残りは未完成だ。
 未完成事業の一例は、マット・グロッソ州クイアバに建設予定だった軽量車両による都市旅客鉄道(VLT)だ。走行距離22・4キロのVLTは2012年の契約当初、今年3月の完成とされていたが、2013年末の時点で2014年12月まで納期が延期された。現時点での納期は、2015年12月まで延長されたが、再延長がありうるという。
 同様の状況はレシフェの高速バス(BRT)でも見られ、13年3月完成のはずが、現在でも、南北線は29駅中4駅、東西線も16駅中10駅が操業しているに過ぎない。同州交通局では15年2月には完成の予定と発表している。
 こういった事業の遅れは環境許可の手続きや許可、土地買収などのプロセスの遅れ、水道や電気関係の工事の遅れなどに起因している。また、国立歴史美術遺産院(Iphan)による建設許可取得も事業の遅れを招いた要因の一つだ。
 工事が遅れている事業には、クイアバやマナウス、フォルタレーザの空港やその周辺の整備計画も含まれており、いずれも納期が未定。クリチバ空港の工事は16年3月完了の予定だ。
 フォルタレーザの空港拡張工事とVLT建設工事は5月に中断されたきりで、13年6月完成予定だったVLT12・7キロ分の工事は50%しか終っていない。
 同州インフラ局はこの8月に工事を加速するための入札を行ったが、応札額が高く、州政府が入札をキャンセル。完成すれば22地区を走り、10万人/日を運ぶはずのVLTの再入札の期日は未定だ。同市ピント・マルチンス国際空港の拡張工事も再入札となる可能性があり、納期未定だ。
 豪華客船も発着出来るよう航路を整備中のサンパウロ州サントス港では、W杯までに1282キロ中511キロのみが終了。全体の整備が終るのは15年12月の見込みだ。