大統領選の世論調査でジウマ大統領再選の可能性が高まったことを受け、9月29日は為替が1ドル=2・451レアルまで上昇。サンパウロ平均株価指数(Ibovespa)も3年ぶりとなる暴落を記録した。9月30日付伯字紙が報じている。
9月26日に発表されたダッタフォーリャの世論調査で、大統領選出馬のジウマ氏が支持率を上げ、決選投票でもマリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)を破って勝利するとの予想が出たことを受け、9月29日のIbovespaは26日の5万7212ポイントから5万4625ポイントへ4・5%下落。この数字は3年ぶりの大暴落となった。
これは株式市場におけるジウマ氏の経済政策への不満の高さの表れだ。ジウマ氏はかねてから経済干渉を行ない、国内総生産(GDP)の低成長やインフレ高騰を招いたと批判され、株価下落のもとともなっていた。
それが、8月13日にPSBの候補だったエドゥアルド・カンポス氏が急死して、副候補だったマリーナ氏が出馬することが決まり、支持率調査でもジウマ氏を凌ぐ可能性が出てきたことで、市場は政権交代を期待。株価も9月2日にピークを迎え、6万1895ポイントを記録していた。
だが、その後の調査では、マリーナ氏の支持率にかげりが出はじめ、市場でも新政権誕生への期待が薄れたことが株価などの数字に跳ね返った。
株価の下落が特に大きかったのは公社、公団系で、ペトロブラスの場合は優先株(PN)が11・2%、普通株(ON)が10・4%下落した。ブラジル銀行もONが8・5%、エレトロブラスもONが6・1%下落した。ペトロブラス株は、世界的な経済危機が勃発した2008年11月12日以来の大幅下落となった。
一方、株価暴落と共にドル高レアル安も進み、29日のドル価は、26日の終値より1・53%上り、1ドル=2・451レアルになった。これは6年間で最も高い数値で、9月初めの相場と比べ0・20レアルほどドル高レアル安となっていることを意味する。
経済学者たちはドル価について、選挙結果には関係なく、8月まで記録していたような1ドル=2・20~30レアルに戻ることはないと見ている。それは、米国の中銀にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を10月に終了し、政策金利も向こう数カ月で上げることを示唆したことで、投資家たちがドル買いに殺到しているからだ。これに伴い、ブラジルでは1ドル=2・4レアルを超えた時点で中銀がドル高抑制に動き出し、1日5億米ドルだった介入額が9億5千万米ドルに増えていた。
イタウ銀行のエコノミスト、カイオ・メガレ氏によると、中国市場で鉄の需要が減ったことや米国の農産物の過剰収穫により、コモディティ価格が約20%下落した影響もあると見ている。
元中銀理事のエミリオ・ガロファロ氏は、今後の為替は確実に1ドル=2・50レアルを超すと予想している。
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