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山本喜誉司賞=島崎、南、藤原3氏に=11月に文協で授賞式

 文協山本喜誉司賞選考委員会(山添源二委員長)による農業功労賞『第44回山本喜誉司賞』の受賞者が決定し、山添委員長、長井邦夫副委員長が報告に訪れた。受賞者と選考理由は次の通り(敬称略)。

島崎清氏

島崎清氏

 ◎島崎清(72、二世)。サンパウロ州第3アリアンサ出身、同地在住。1960年代から鶏卵、鶏肉のほか、鶏糞による土壌の肥沃度の回復を狙って養鶏を始める。80年代にゴイアバを手がけ、アビウ、アセロラ、甘カランボラ、柿などを試作。
 特にカランボラ栽培では、州農業研究機関などの協力を得て新品種C1を開発した。また接木、独自の選定法、集約的管理により糖度やサイズを改良、しかも多収に成功した。自己開発の新技術を普及、地方の経済社会活性化に努めた。

南忠孝氏

南忠孝氏

 ◎南忠孝(70、和歌山)。55年、12歳でバウルー市に農業移住、63年にビリチーバミリン市へ転居し独立。64年に木工場へ就職し、70年に自身の木工場を設立する。ブラジル初の木製自動人参洗浄機を開発し、2千台近く販売した。
 72年に工作機製造会社「Minami Industria de Aparelhos Lavoura Ltda」を正式に立ち上げ、鶏糞・カルカリオ散布機、コーヒー専用肥料散布機を開発・販売し、技術革新に貢献した。現在はスーパー用陳列棚や住宅用鉄骨屋根の生産・販売も行なっている。

藤原シデネー氏

藤原シデネー氏

◎藤原日出男シデネー(46、三世)。サンパウロ州カッポンボニート市出身、同地在住。92年、ヴィソザ農科大学を卒業後、家族と共に農場運営にあたる。98年にジャガイモの新品種アガタを先駆的に導入、その普及に努め、現在ではブラジルで最も広く栽培される品種に至った。
 農薬散布によるとうもろこしの病気防除を手がけ、ジャクト農機と共同で新噴霧器を開発。2008年、ブラジル初の遺伝子組み換えとうもろこしテストを行い、11年にはバイオ化学メーカー「モンサント社」の依頼を受け、大豆の遺伝組み換え品種の栽培技術を成功させた。科学を有効活用した先端技術の導入、試験、普及に努めている。
 2団体以上から推薦を受けた人が対象で、11月7日午後7時から文協ビル貴賓室(Rua Sao Joaquim, 381 – Liberdade)で授与式が行われる(会費80レ)。