2007年7月31日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】ジョビン国防相は二十八日、航空緊急対策本部設置の意向を表明した。カルドーゾ前政権時代の電力危機に際し設立した、パレンテ元官房長官指揮の緊急対策本部にならい、航空関係の全システムを動員し、トラブル解決に向けて調整するもの。国防相は二十九日、前政権の関係者や専門家を招集し、電力危機を回避した記録の再現と措置の内容などの説明を聴取した。国防相の意向では、国防省や航空委員会(Conac)、民間航空庁(Anac)とは独立した即断即決の対策本部を考えているようだ。
航空緊急対策本部は、資金の即時調達のためマンテガ財務相やベルナルド予算管理相、社会経済開発銀行(BNDES)総裁をメンバーとし、法的順序を踏んだ予算交付手続きを省略することを計画している。
国防相は、至急手配すべき管制塔用と気象観測用など、購入機器リストを拾い出した。この機器があれば、クンビッカ空港に第三の臨時滑走路を増設できる見込みである。
国防相は二十九日、Anacのズアナジ総裁と会い、政府の意向として役員全員が辞任するよう説明をした。同総裁は大統領府と国防省に抗議する意思はないが、同庁の権限縮小と任期について異議を示した。同庁総裁への就任は、上院の法的認証を経て承認されたことを強調した。
Anacの法的権限と空港整備公団(Infraero)のペレイラ総裁の後任については三十日午前、プラナウト宮の政治政策委員会で討議された。Infraeroの次期総裁には、軍人起用を敬遠する国防相の意向が通れば、ブラジル銀行のマラニョン元頭取が有力らしい。
国防相は二十九日、Anac次期総裁と思しき候補らと会合を持った。ウンジェル長期計画長官や最高裁のメンデス副長官、パレンテ元官房長官の側近セロン氏などである。しかし、ロウセフ官房長官が二十六日、ジョビン国防相の権限範囲についてConacで検討を示唆した。
Conacは、国防相と空軍司令官、官房長官、外相、財務相、予算管理相、法相、産業開発相、観光相などからなる。
ジョビン国防相には緊急の資金調達はもちろん、緊急対策に適切で実力のある人材も必要である。同相が対策本部長に、前政権で電力の配給制度を強行し、電力危機回避で実力が評価されたペドロ・パレンテ氏の起用を考えている。
同氏は現在、RBS通信会社の副社長を務めている。電力危機と航空トラブルが共通するのは、需要と供給の不均衡だと同氏はいう。即時の資金投入でシステムの完備や能率向上、予備滑走路の活用を通し、どの位の供給能力を上げられるか、需要調整するしかないと同氏は助言した。
Anacが機能不全で世論の批判が集中する中、同庁の政治的駆け引きがなお続いている。大統領府はパゴッチ氏を同庁の航空構造(DNIT)担当役員に赴任させ、次期地方選挙でクイアバ市長に立候補させる計画だ。DNITは今年度予算が一〇〇億レアルも交付計画があり、ルーラ大統領は同氏を通じてマット・グロッソ州のマジ知事抱き込みのため贈答をする考えだ。