2007年7月28日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】ジョビン国防相は二十六日、安全保障を優先するなら、待ち時間はその代価であると空の便利用者の理解を求めた。空港整備公団(Infraero)が行った主要空港の改修工事は中途半端だと批判し、同公団の体質改善が必須だと示唆した。空港には離着陸に関する基本概念と構造設備がなく、安全確保には二〇億レアルが必要だと同相はみている。また軍人の任務は軍隊の統率であって、専門以外の指揮に起用すべきでないと持論を披瀝した。
新国防相就任の辞は、国家元首が三軍の長を睨みつけ命令する非常時宣言のような口調であった。「餅屋は、餅つくりに専心すればよい」―。国防組織は交響楽団と同じで、曲を選ぶのは大統領。指揮を執るのは国防相という。
軍政終焉のあと一九九九年、新たな軍部の位置付けが行われ、三軍はセクターとして独立した地位が定められた。しかし、この制度も改定の時期が来たらしい。新国防相は軍のあり方を見直せという。
ジョビン構想によれば、国防省は三軍の上で独立機関とし、国防予算や国防政策を立案する。国防相は政治的に無党派で、聞くだけや語るだけの参謀ではない。システムとして政治参加し、同相の構想が機能するか試すという。
航空トラブルは構造的問題であると同相が判断。国防相を引き受けた動機は、解決の処方を見出すことで、過去のことをとやかく言うことではない。大統領は、第一次共和宣言に謳われた共和制独裁を提案した。国防省は、三軍の機能を生かした複合体にする。
国防相の処遇は残留か辞任か。公務続行か下野かを選ぶ。言い訳無用、結果だけが問われると国防相が決断を迫った。任期と権限が法令で保障されている民間航空庁(Anac)の高官五人は、航空惨事の責任者として引責辞任をするよう国防相が要請した。
機能不全のAnacが、国家活動の障害になってはいけない。Anacは政治取引の場となり、指揮者のタクトから外れていた。政治のシステム化で関係機関は当分、年中無休でトラブル解消に努めるよう空港整備公団の次期総裁に国防相が訓示するらしい。
安全の代価が不快感ならば、それも止むを得ない。空港の安全対策には、予算と時間が必要である。安全には数々のオプションがあり、乗用車かバスにするか選ぶのは、乗客の自由だと国防相がいう。
これはジョビン国防相の哲学だ。泣き言をいわない。言い訳をしない。できなかった理由は説明無用。するか、しないか。人生は二者択一。物事は、善意で受け取られないもの。物事の成就に先立ち、涙を呑む時期があることを覚悟すべきだ。理由を聞く時間はないし、聞く必要もない。物事は結果だけがものをいうのだ」
一方、ペレイラ空港整備公団総裁は「問題は、キュウリ(トラブル)そのものではない。キュウリと、どう付き合うかだ。キュウリの料理法を研究すること。キュウリを正しく切り、キュウリを扱う知恵を持つこと。特に落ち着いて、キュウリを扱うこと」と航空トラブルについてコメントした。