2007年7月25日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会主催の「フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)」は、舞台での郷土芸能や各団体の展示などで多くの人を楽しませた。しかし、一番の人気はなんといっても県人会の郷土食。天気によって左右されるし、今年は衛生局から細かい指摘をされていただけに、準備にかなり神経を尖らせていたようだ。その甲斐あってか、各ブースではほとんどが長蛇の列を作って、閉店時間を前に売り切れになるところが目立った。今回は過去最高の五十団体(内四十三県人会)が参加し、多くの来訪者を楽しませた。
今年のフェスティバルでは県連執行部が、「郷土食を各県人会で一つは出してほしい」と要請。これに応えて参加四十三県人会のうち二十九県が有名な郷土食を販売した。日本から輸入したところもあれば、ブラジル内で準備しブラジル風にアレンジしたところもある。
北海道は郷土食の一つ、焼きニシンを販売。用意していた約七百匹は日曜日の夕方頃に完売した。昨年よりも約二百匹上回った。
約五十人が準備などに携わり、約九割が青年部や婦人部。関係者は「若い人たちのおかげで助かっている。手順も慣れ、順調に販売できたのが良かった」と感想を述べた。
秋田は日本酒の高清水を使ったサケピリーニャを用意し、二十箱の約半分以上が売れる人気。きりたんぽも用意していた二百食の内約百七十食が売れていた。
関係者からは「色々な問題から準備に手間取った。また、天気が良すぎて逆に売れなかった」と残念な声があった。しかし、「赤字覚悟で、自分たちの県の郷土食を紹介できた」と笑顔も見せていた。
宮城はブラジル内で人気のない牛タンを使用して、郷土食をアピールした。五十キロ用意した牛タンは土日の内に完売。青年部と婦人部の約三十人が手助けをした。ブラジル内に牛タンが浸透してきたのかも、と手応を感じている。
福島は毎年恒例となっているアイスクリーム天ぷらを約四千個用意し、約三千個売った。過去には五千個も売った経験があるため、少々物足りない、との声も。
関係者は「もっと宣伝して、非日系人にも来てもらいたかった。非日系人のほうが喜んで買ってくれる」と話していた。
静岡のうなぎ弁当は衛生局の指導によりテント内でしか調理ができないため、近くの関係者の家から焼いて運んできた。ご飯の上に、外国から取り寄せたうなぎの蒲焼を乗せ、山椒、漬物を添えた。
二十五レアルの値段にもかかわらず、用意していた約四百食はほぼ完売。その他にも今年の新茶やおでんの素などもよく売れたという。
毎年長蛇の列ができる和歌山の関西風お好み焼き。晴天にも恵まれ、用意していた約三千食は完売の人気ぶり。
会場内と県人会で約七十人が和歌山のお好み焼きを支えた。関係者は「みんなで楽しくわいわいできたことが一番良かった。販売あってこそ楽しみがありますから」と表情を綻ばせながら話した。
広島名物の一つ、広島風お好み焼きは土日のみの販売となったが、日曜日の午後五時ごろに早々と約二千食を完売。
関係者は「天気も良かったが、グローボTVのニュースで放送してくれたおかげで日曜日はさらに人が増えた」と上機嫌の様子で話した。
毎年天ぷらアイスを用意している佐賀は、二千食を完売。関係者は「天気が良かったので、よく売れて良かった。でも主催者側の準備がちゃんとできていないので苦労した」と感想を述べた。
今年のフェスティバルは期間を通じて晴天に恵まれたことも影響し、食事は例年よりも順調に売れたところが多かった。日本各地の郷土食を多くの人に紹介できたことだろう。