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変貌を遂げる消費生活=外食とマイカー急増=「家庭で料理」は時代遅れ=教育と保健の支出増

2007年7月21日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ブラジル国内で消費形態が変化を遂げている。外食が増え、自家用車族が急増、ハード製品の購買に走り、教育と保健の出費が顕著となっている。この原因としてインフレの抑制、女性の職場進出、長期月賦の拡大、経済安定による物価の均衡、家庭内での食費の減少などが挙げられている。家庭で主婦が台所で調理するのは過去のものとなり、中には調理用コンロは姿を消し、既製品を温める電子レンジのみという家庭もある。
 応用経済調査院(IPEA)が一九八八年から二〇〇三年までの家庭の家計予算をもとにはじき出したもので、レストランや軽食店などで食事を摂る外食は一九八八年に二六・六%だったのが、〇三年は三〇%となった。
 反面で家庭内での米の消費は八八年で一人当り二九・七キロが、〇三年には一七・一キロとなり四二・四%の減少となった。フェイジョンは一二・一キロから九・二キロへと二三・九%減、牛肉は一八・五キロから一四・五キロの二一・六%の減少となった。
 いっぽうで食料の既製品は一・三キロから五・三キロと三〇七・六%の大幅増加となり、手間と時間を要する家庭での調理は敬遠される風潮となった。
 これらの変化を外食産業界は敏感に察知し、受け入れ体制を固めて対応している。レストランや軽食店を対象とした食料サービス業は過去十年間で二〇三・五%の成長を遂げている。小売業の九五・二%の成長を大幅に上回った。全国食品工業協会によると、二〇〇六年のサービス業の成長は一二・三%で小売業の五倍に達したという。
 このほか自家用車族が急増した。女性の職場進出により時間の有効利用が原因となっている。国民の一〇%を占める貧困層では八八年の自家用車保有が一・二一%だったのが、〇三年には二・五五%に増加した。
 この背景には輸入解禁による市場価格の低下、長期月賦の供給などで購入が容易になったのが挙げられる。現在では七二回払いの特大月賦がお目見得している。自動車メーカーではこれらを見越して今年の生産を史上最高となる二三五万台としている。
 また冷蔵庫、コンロ、洗濯機などのハード製品の、二〇%を占める貧困層の購入は八八年で四・四%だったのが、〇三年はほぼ倍増の八・六%となった。保健および教育の出費は全国平均で八八年は一〇%だったのが〇三年は一三・三%へと増加した。
 「家庭で料理して食べるのは過去のこと」と言い切るのはシルバナさん。会社支配人勤務の彼女は、昼食はレストランで同僚と共にし、夜は二人の子供と同じパターン、レストランのバイキング形式の計り売り(ポル・キロ)では種々のメニューが楽しめ、食費予算もたてられるとして外食を楽しんでいる。働く女性は台所に立つことで時間を浪費していると指摘している。