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大統領=「今回は単なる事故」=空港混乱とは無関係=野党、政府の対応まずさ攻撃

2007年7月20日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】サンパウロ市コンゴーニャス空港で十七日に発生した国内史上最悪の航空機事故を受けて政府は十八日、事故原因の解明が終わるまでは公式見解は避けるとしながらも、事故は昨年から続いている一連の空港混乱とは関係ないとの見方を強調した。
 ルーラ大統領は事故の報を受けて驚がくし、「何たる事だ」と絶句したと伝えられたが、一夜明けた十八には「単なる事故」だと決めつけて、一連の空の混乱に関連しないとの態度を表明した。
 しかし、昨年九月にGOL航空のボーイング機が空中接触して墜落し、一五四人の犠牲者を出したのを皮切りに管制ミスなどが相次ぎ、一連の混乱を招いたことに終止符を打つためにも空港整備公団(INFRAERO)総裁とピレース国防相(民間航空局管轄)の解任の意向を固めた。これにより、大統領が二〇〇三年に設置した国家民間航空審議会の体制を強化したいとしている。
 同審議会はピレース国防相が座長となっているが、これまで何らの活動を行っていない。ピレース国防相は一連の不祥事で辞任の腹を固めていると伝えられている。しかし大統領は同相の責任範囲外だとして、後ろ指を指されることなく引退の花道を飾ってやりたいとの心情だという。
 野党側はこれにつき大統領は友達である同相をかばい過ぎだと批判している。さらに野党側は、民間航空局が事故発生二十時間後に公式発表をしたことで、政府の対応のまずさを攻撃している。
 セーラサンパウロ州知事とカサビサンパウロ市長は十八日も事故現場を視察した。空港設備は中央政府の管轄だとした上で、コンゴーニャス空港の発着本数を減らすべきだとの見解を示した。南米一の航空利用になっているが、環境や設備的にその資格にないと指摘した。
 いっぽうで事故を起こしたTAM航空の首脳陣は記者会見で、機体の故障やパイロットの操縦ミスの可能性を否定、暗に空港設備の欠陥を指摘する発言に終止した。