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3組の家族が全員死亡=事故犠牲者の様々な横顔

2007年7月20日付け

 【フォーリャ・デ・サンパウロ、エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】ブラジル航空史上最悪の惨事となった今回の事故。犠牲者一九二人の中には、休暇帰りの家族、妊婦二人、下院議員一人、外国人四人など様々な人たちがいた。十八日夕方までに一七八人の遺体が消防隊員らによって現場から運び出された。
 リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市のサウガード・フィーリョ国際空港では十八日未明、安否を気遣う搭乗者の家族らがTAM航空カウンターに詰め寄った。同航空は家族らを市内のホテルに移動し、搭乗者名簿の発表を待つよう依頼。しかし、会社側の代表がいないまま、家族らは午前一時三五分にラジオで公表された搭乗者の名前を聞き、大声を上げ、泣き崩れた。
 ガソリンスタンド経営者のクーニャさん(51)は、妻(44)と十三歳の息子、十歳の娘と同州グラマード市で休暇を過ごした後、サンパウロ市に戻る途中、事故に巻き込まれた。パライーバ州ジョアン・ペッソーア市在住のアウメイダさん(38)は、自動車販売で好成績を収めた報奨として一週間の旅行を獲得、寒い所を体験したいとグラマード市などを妻と息子二人で訪れた帰りだった。
 国際サッカー連盟(Fifa)の職員だったアンドラーデさん(35)は仕事で数年間日本で過ごした後、妻の出産のため二年前にブラジルに戻ったばかり。叔父に会いにポルト・アレグレ市に行った帰りに、妻と二歳の娘とともに犠牲となった。
 「政府が航空管制システムの信頼性を回復することを強く求める。犠牲者も出ている。新たな犠牲者が生まれるリスクもある」。犠牲者の一人、レデッケル下議(ブラジル民主社会党=PSDB)は、今年四月三日に下院本会議での演説で、新たな事故の発生を「予言」していた。事故当日、同下議はワシントンに向かうためグアルーリョス空港行きの便への変更を検討したが、適当な便がなくあきらめたという。