2007年7月19日付け
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十八日】ブラジルでのエタノールの生産拡大傾向と、それに伴い自然環境破壊に対する国際的批判の高まりを受けた政府は、アマゾン、パンタナル地方の森林地帯でサトウキビ栽培を禁止する法令の制定を決定した。ヨーロッパへの伯産牛肉輸出について開かれた共同記者会見で、ステファネ農相が発表した。
同地域でのサトウキビ栽培は特定農業地区として地図上で分類され、一年以内に発表される見通し。しかし、同地区以外での栽培の取締り、罰則規定については、まだ詳細が決まっていない。
牧草地といった傾斜地でのサトウキビ栽培を促進するための連邦政府の奨励策も、この機会に策定される。政府はまた、国際市場でアルコールとバイオ燃料が受け入れられやすくなるよう、同製品の環境面の承認モデルを十二月までに決定する考え。
ルーラ大統領は十七日、バイオ燃料生産拡大が自然環境と食料品に影響を及ぼすとの批判に対し、アマゾン地方を例に出しながら、そうした影響はないと反ばくした。
「ポルトガル人は四七〇年前にサトウキビをブラジルに持ち込んだが、湿度と土壌が適当でないと知っていたので、アマゾン地方では栽培を行わなかった」と述べ、環境破壊の心配はまったくないと太鼓判を押した。そしてバイオ燃料は国家主権の問題でもあり、ゴム栽培をめぐり発生したような事態の繰り返しは避けなければならないと真剣に取り組む姿勢を示した。