2007年7月19日付け
「百周年には何かできればと思ってきました。来年は『笠戸丸』という題で歌を持ってくるつもりです」。井上祐見さんの来伯歓迎会が十日、ニッケイ・パラセ・ホテルで開催され、二〇〇八年の日本移民百周年に合わせた祐見さんの新曲発表が拍手で歓迎された。
井上祐見さんの南米ツアーは、今年で九年目。来年の百周年にはデビュー十周年を同時に迎える。
百周年を機に笠戸丸を引き上げるという話を聞き、曲を決めたという祐見さん。「歌詞を全て日本で書いてしまうのでなく、笠戸丸に対するブラジルの人の思いを募って、参考に考えていきたい」。
ブラジル移民を歌ったオリジナル曲『ソウ・ジャポネーザ』が神戸港の出港までを中心にして描かれていることから、中嶋年張マネージャーは「新曲『笠戸丸』を、その続きとして位置付けたい」。歌詞は、「笠戸丸に思いのある人から一言ずつでもいいのでいただいて、皆さんの曲として歌いたい。思い出を教えてもらいたい」と呼びかけた。
歓迎会には、九年前から南米ツアーを支えてきた面々や、近年ツアーを続ける祐見さんの存在を知って参加した人ら、約四十人が集まり、祐見さんの来伯を喜んだ。
開会にあたり、ファンクラブの小山昭朗世話人が「素直で純粋、芸能界の人とは思えない人柄の祐見さんには、来年、大講堂で一千人の人を集めて公演を行ってほしい」と期待を込め、高木ラウル・ニッケイ新聞社社長から、花鉢が送られた。祐見さんは、プレゼントに、と『ソウ・ジャポネーザ』のほか三曲を披露。会場はしんみりと歌声に聞き入った。
今回の南米ツアーでは、祐見さんが歌う演歌とポップ音楽を一枚に収めたCDと祐見カードを販売している。CDの売上げは福祉関係団体に、カードの分は自閉症児教育支援グループに寄付される。申し込み連絡は、小山さん(11・3277・5155またはprogolf@uol.com.br)まで。
祐見さんは二十一日に海外日系人大会のフィナーレにゲスト出演し、同日と、二十二日に日本祭りに参加する。二十五日にドラセーナ、二十七日にツッパンで公演。二十九日にはYOSAKOIソーラン祭りで、一部、二部終了後の二度、舞台を披露する。