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コラム 樹海

2007年7月19日付け

 「中長期的な観点からの協会の運営基盤はきわめて脆弱である」。十八日、サンパウロ市で行われた海外日系人協会の運営会議では、そんな残念な言葉が聞かれた。毎年、皇室ご臨席のもと東京で行われている海外日系人大会を主催している団体であり、世界に散らばる日系人の日本政府に対する〃窓口〃団体だ▼各国の日系社会にはそれぞれ独自の事情もあり、関心の比重の異なるが、同協会がその調整弁として機能してきた▼主に業務委託を受けている外務省やJICAが移住者・日系人支援を縮減する傾向にあることから、会議の中で、将来的には協会の存続が危ぶまれるとの危機感が訴えられた。というのも、財政の柱となってきた都道府県が財政逼迫してきていることから、すでに長野県、鳥取県、岩手県からの拠出金が打ち切られ、全国知事会も〇七年度の分担金を打ち切りにしたとの報告もあったからだ▼今後は、海外日系人がどんどん会員に加入して財政面でも支えてもらい、協会運営にも積極的に参画してもらえれば望ましい、との声が聞かれた。外国から会員になってもらうには、それ相応のメリットも必要であり、それについての具体的な討議がこれから行われるという▼日本では、デカセギという移住労働者が年々増えている現状にも関わらず、良い意味での日系人の存在感は決して増してはいない。むしろ、デカセギ子弟の教育問題や青年犯罪などにより、悪化している。今こそ、日本国内で日系人の再評価を叫ぶ団体が必要ではないだろうか。今回の海外日系人・汎米合同大会を通して、その曙光がみえれば良いのだが。(深)