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為替政策で中国に圧力=伯米が歩調そろえる=元相場は不自然で作為的

2007年7月14日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジル政府は中国に対し、柔軟な為替相場制の採択を促すことで圧力をかけていく方針を決定した。マンテガ財務相が十二日、明らかにしたもので、中国の元の切り上げを主張しているアメリカと歩調を合わせていくことになる。
 この背景には、先週来伯してルーラ大統領と同相と会談したアメリカのポールソン財務長官の強い要望があり、ブラジル側はこれに応じた。中国の外国為替は固定相場制で政府が相場を決めており、アメリカは長期間にわたり、この是正を交渉してきており、小幅ながらも中国の歩み寄りに成功したものの、世界各国からはまだ不十分だとする不満の声が挙がっている。
 マンテガ財務相は政府間の審議問題として国際会議の場で取り上げていくとの強い態度を示し、取りあえず十月に予定されている国際通貨基金(IMF)会議で審議する意向を見せている。さらに発展途上国で形成するG20会議(中国も加盟国)でも、ブラジルがコーディネーターである立場を利用して圧力をかけたいとの態度を示している。その上で、中国の世界への輸出侵略は生産性や品質の向上によるものではなく、不自然で作為的な為替相場の上に成り立っているものだと手厳しく批判した。
 貿易研究センター(FUNCEX)も同様の見解で、「元は変動相場制をとらないことで輸出に見合った為替相場を設定している」として、中国の安価な労賃、大量生産、政府の補助金に後押しされていると指摘している。
 ブラジルは中国との二国間貿易で今年は二〇〇〇年以来、初めて赤字に転落するとみられ、総額は一〇億ドル台となる。五月までの過去十二カ月間は辛うじて一億ドルの黒字を累積したものの、一月から五月までは四億一〇〇〇万ドルの赤字を記録した。〇二年の対ドル相場は四・〇〇レアルだったが、十二日は一・八七レアルとなり、輸入を助長している。