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コラム 樹海

2007年7月14日付け

 選挙というのは、かなり騒騒しくも刺々しい。その昔は投票日が近くなると村や部落の入り口に薪を積み上げて大きな焚き火をし敵陣の侵略部隊の乗り込みを警戒し防戦に努めた。今は、こんな物騒なこともなかろうが、人々が入り乱れて熱気を帯び喧騒な日々が続く。今度の参院選は、将に与野党の激戦。とりわけ自民党と民主党の闘いは決戦と見ていい▼陸自イラク派遣隊の「ヒゲの隊長」で知られる佐藤正久元一等陸佐や女優の若尾文子も立候補する賑々しさである。年金や消費税など与野党の公約の違いも大きく、7党首が集まった党首会談での論戦は激しい。安倍首相は、改憲論を展開し国民の判断を仰ぎたいの心積もりが強いのだが、民主党の小沢一郎代表は、年金信任選挙だと譲らない▼この選挙で大切なのは、自公の与党と民主を軸とした野党のどちらが参院過半数を獲得できるかに尽きる。安倍政権は防衛庁の省昇格、憲法改正の手続きを定めた国民投票法と教育基本法の改正を成立させた功績は大きい。が、3閣僚の不始末などが響き支持率も真に低い。もし、過半数に手が届かなければ、政局は厳しくなる。一方の民主党・小沢代表は「もし選挙で負ければ政界引退も」とすこぶる元気がいい▼尤も―、議員を辞職するのではなく、次の衆院選挙には立候補しないの真意らしいけれども、まあ覚悟の程はわかる。それにしても、もっと内容の濃い政策論議が必要なのに―どうもそんな議論は聞こえてこない。そんなところをよく見極めての1票を使いたい。ブラジル国内での公館投票は、13日から21日まで。      (遯)