2007年7月13日付け
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】カサビサンパウロ市長が今年一月に裁可し、発令したサンパウロ市美化条例が市民の間で賛否両論の議論を呼んだが、広告主がサンパウロ市を相手取って市条例は違法だとする異議申し立ての提訴をしていることが明らかになり、決着は司法の判断に委ねられている。
美化条例は、サンパウロ市の美観を損なうとして一部の公益や医療機関を除き、屋外広告・宣伝を禁止したもので、市当局は発令以来、八三三件の広告主や企業、ビルの所有者に対し罰金を科した。総額は二六〇〇万レアル余に上った。
これに対し広告主はことごとく、罰金は違法だとして提訴した。サンパウロ州屋外広告協会によると、新市条例に対し、三月までは広告宣伝の変更あるいは取り外しが裁判所で認められ、かつ市当局もこれを容認しており、その期間での罰金は無効だとしている。
さらに罰金のみにかかわらず、同協会では市条例は違法だとする提訴を高裁にしており、判決待ちとなっている。市条例はサンパウロ市地裁で合法だとする判決が下りているが、協会はこれを不服として控訴している。
協会の言い分は、協会加盟社は六六社、八〇〇〇余に上る屋外広告を出しており、これを禁止するのは商業の自由ならびに営業権の自由を侵害するものだと主張している。
さらに引き続き市当局に対して損害賠償の訴訟を起す意向を示している。同協会によると、六六社で四〇〇〇人の従業員を抱え、年間二億レアルの業界だったが、今回の条例でほとんどが営業停止の状態となっているという。これにより五〇%の従業員はすでに解雇されており、残りも時間の問題だと憂慮している。