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ルーラ大統領の守護天使=逆らう者に責任を負わせる

2007年7月11日付け

 【ヴェージャ誌二〇一四号】ピーターパンには、守護天使がいた。ルーラ大統領の守護天使は、エリオ・ガスパリらしい。海賊が投げたダイナマイトが大統領の膝に落ちたとき、ガスパリが現れてダイナマイトを遠くの方へ投げてくれた。ガスパリは体を張って大統領を助けたのだ。
 最後のダイナマイトから大統領を助けたのは、ヴァヴァが持ち込んだときであった。マスコミによれば、その話を聞いたとき大統領は頭から湯気を上げて怒り、そんなバカな兄貴はリンチで弄り殺されたらいいと言ったらしい。
 労働者党(PT)のサイトとジルセウのブログは、言葉のアヤで兄を救った大統領の快挙を賞賛した。ガスパリは、大統領による烈火の怒りがリンチに先手を打ったのだと説明した。大統領が、兄貴は無教育で愚かな人間であると弁解したからだ。
 ガスパリは、ヴァヴァをジミー・カーターの兄でロクデナシのビリーに例えた。ジミーは愚鈍な兄をかばったバカ正直者として後世の語り草となった。ルーラ大統領がかばったロクデナシは、ヴァウドミーロ・ジニスやデルービオ・ソアレス、マルコ・ヴァレーリオ、ドゥーダ・メンドンサ、ジョルジェ・ロレンゼッチと少なくない。
 ヴァヴァのリンチが話題になったとき、ガスパリが奇妙なことをいった。「大統領の代父がブタ箱入りするのを社会が汚職防止と思って黙認するなら、汚職はさらにはびこる」と。ガスパリは、大統領に逆らう者へ汚職の責任を負わせる考えだと説明した。
 これは、香港方式を適用したものである。香港政府は一九七四年、公社の汚職を取り締まるため秘密警察のような独立機関を創設した。これが見事に効を奏し、汚職がピタッと止んだ。ルーラ大統領の守護天使は残念だが、大統領だけを守り、汚職狩りには手を出さなかった。